レビュー
2段調理できるのに高さと価格を抑えた最上位モデルの実力を調査

6万円強で買える最上位のオーブンレンジ! 日立「ヘルシーシェフ」を1か月間使ってみた

オーブンレンジの買い替えを検討している筆者。発表会などで実物に触れる機会が多いこともあり、性能の高いモデルに惹かれているのですが、最上位モデルの庫内容量は30Lというのがスタンダードです。2段調理もできて魅力的なのですが、やはり本体サイズが大きい! 高さが40cm程度あるのもネックで、少々二の足を踏んでいたところに、庫内容量30L/2段調理対応ながら、高さを36.5cmに抑えた、日立「ヘルシーシェフ MRO-TW1」(以下、MRO-TW1)が登場しました。過熱水蒸気による調理も行え、オーブン加熱の最高温度は300℃と高火力! 筆者が求める基準をすべてクリアしたMRO-TW1の実力を1か月間じっくり使って調べてみました。

本体サイズは48.7(幅) ×36.5(高さ)×44.9(奥行)cmですが、放熱スペースとして上方10cm、あるいは左右4.5cm空けておく必要があります。筆者宅の場合、棚の高さの都合上、本体サイズの高さが40cm以上ある製品はキビシイ!

評判はダテじゃなかった! 自動解凍機能が優秀

どんなに高性能なオーブンレンジを購入したとしても、もっと利用頻度が高いのは「あたため」という方は多いのではないでしょうか。実は、日立のヘルシーシェフシリーズは、従来から自動メニューの「あたため」に定評があります。その鍵となるのは、2種類のセンサー。庫内の天面に配置された赤外線センサーと、底面に装備された重さを測るセンサー(トリプル重量センサー)を組み合わせることで食品の状態をより的確に把握し、最適な加熱を行うのです。さらに、レンジ加熱(マイクロ波)であたためるだけでなく、食品によって「マイクロ波+スチーム」というように異なる加熱方法を併用したり、中華まんなどは「スチーム」によるあたため、揚げ物の温め直しには「過熱水蒸気」と、加熱方法を使い分けているのがポイント。「あたため」のオートメニュー数は18種類用意されており、飲み物のあたためだけでも「牛乳」「お茶」「コーヒー」と細分化されています。数が多いので選ぶのがめんどうに思われるかもしれませんが、「温めたのに冷たい」「噴きこぼれた」と、やり直す手間が手動よりも軽減できるはず。

一般的に赤外線センサーは庫内側面に搭載されていますが、MRO-TW1は天面奥の中央に備えられています(赤い囲み部分)。これにより、深い器に入った食品の表面温度も正確にとらえることが可能に。トリプル重量センサーは3つ配置されているので(青い囲み部分)、重さだけでなく、食品の位置も把握できます

冷凍保存した食品と冷蔵保存した食品、冷蔵保存した食品と常温保存した食品というように、異なる温度帯の2品の同時あたためも可能

そんな自動「あたため」メニューの中でも、特に評判が高いのが解凍。肉、魚などの種類、ひき肉や刺身といった形状にあわせた加熱制御が7種類用意されており、レンジ加熱にくわえ、スチームを放出することで食品の表面から徐々に解凍します。筆者は料理が好きなので、解凍の出来は重視したいポイント。そこで、その実力を試してみました。

骨付き肉、スペアリブは「牛・豚ブロック肉」、しゃぶしゃぶ用、すき焼き用の肉は「とんカツ用肉」で解凍可能。取扱説明書に詳細が記されているので、おおよその肉や魚は自動メニューで解凍できそうです

約100グラムの豚バラ肉を解凍したところ、冷凍前のように1枚1枚はがせる状態になりました。少量なのに、部分的に半煮えしているところもありません。なお、購入した際の発泡スチロール製トレーに入れたままで解凍することが推奨されています(ラップは外しましょう)

発泡スチロール製トレーがない時は、オーブンシートかキッチンペーパーを敷くように取扱説明書には記されていましたが、冷凍した際に包んでいたラップを敷いて解凍してみました。100gの塊2つをまとめての解凍は、半解凍ほどの状態に仕上がり、ハンバーグなどを成形するのに硬すぎず、やわらかすぎずちょうどいい感じ! ラップを敷いての解凍でしたが、ドリップも出ず、成功したようです

鶏もものブロック肉は、カットがしやすい半解凍の状態に解凍されました。フォークを刺すことができる硬さで、全解凍よりも下ごしらえがしやすい!

肉だけでなく魚も解凍してみましょう。今回試した、さばの切り身は「15 刺身」で解凍したのですが、表面に弾力がある半解凍の状態になりました。皮に包丁で切れ目も入れやすく、大満足の仕上がりです

さばの切り身と同じように、かつおの刺身も解凍。これまでは流水にさらして解凍していたので、オーブンレンジで解凍するのは少しドキドキだったのですが……ドリップもほとんど出ず、薄切りもしやすいちょうどいい解凍具合です。解凍しすぎて失敗するリスクがある流水解凍より、断然こちらのほうがラク!

オートメニューでいろいろな料理を作ってみよう!

上で紹介した「あたため」のように、加熱時間やパワーが自動制御されるオートメニューはとても便利な機能です。MRO-TW1には焼き物や煮物、揚げ物などいろいろなオートメニューが用意されており、「あたため」同様に異なる加熱方法を組み合わせて調理するのがポイント。「レンジ」「オーブン」「グリル」「スチーム」「加熱水蒸気」といった5つの加熱方法を使い分けるとともに、重量センサーと赤外線センサーを駆使し、たとえば「レンジ加熱中にオーブン加熱を追加する」という調理もできるようになっています。こうした複数の加熱方法を組み合わせることで、よりおいしく火加減が調節できるのだそう。なお、MRO-TW1に搭載されているオートメニュー数は前モデルの半分以下に減っています(前モデル:400、本機:172)。実は、オートメニュー数の削減をはじめ、タッチパネル液晶の廃止など、機能を絞り込むことで最上位に位置づけられるラインアップながら、約61,000円(2017年9月26日時点の価格.comの最安価格)という値ごろな価格を実現。一般的に最上位モデルの場合、10万円以上するので、この価格だけでも購入の決定打になりそうなほど魅力的です。

オートメニューの「えびフライ」を選ぶと、液晶モニターに調理中に利用される加熱方法が表示。えびフライでは、「過熱水蒸気」「オーブン」「グリル」の3つの加熱方法が使われるようです

重量センサーがあるので付属のレシピブックに記載されている「1回に作れる分量」の範囲内であれば、分量設定をせずに調理可能。ハンバーグ1個でも4個でも個数を入力しなくても、MRO-TW1が判断して火加減を調節してくれます

【焼き物】絶品の焼き上がりに感動した焼きさば!

まずは、焼き物に挑戦! 異なる加熱方法を組み合わせて調理するMRO-TW1は、焼き物にも「直火」と「熱風」が用意されています。直火は「レンジ」「過熱水蒸気」「オーブン」「グリル」を使った調理で、レンジで食品の中を加熱してから過熱水蒸気とオーブンで食品全体を外側から加熱。最後にグリルで表面を焼き、外はパリッと中はふっくらに仕上げます。いっぽう、「熱風」のほうは「レンジ」「過熱水蒸気」「オーブン」での加熱。基本的にはオーブンでの調理がメインとなり、レンジと過熱水蒸気は効率よく温度を上げたり、旨みを閉じ込めるために補助的に追加されるようです。

塩さばは焼網に載せて調理します

塩さばは焼網に載せて調理します

15分もかからずに、焼き魚が完成! 「レンジ」「過熱水蒸気」「オーブン」「グリル」を組み合わせた「焼き物(直火)」で調理された焼きさばは、しっかり火が通っているのにとてもジューシー。皮にはおいしそうな焼き色がつき、脂ののりもほどよい感じです

塩さばと同じように焼き網に載せ、オートメニューで15分弱で焼き上がった「ぶりの照り焼き」。身がパサパサとせず、ぶりの旨みもしっかりと残っています

いろいろなオートメニューを試した中で、実は一番おいしかったのが焼き魚です。炭火焼にも引けをとらないおいしさで、何度も作ってしまいました。

【煮物】ボウルひとつで作れる「カレー」と「ぶり大根」を試す!

次は、煮物にチャレンジ! 煮物というとレンジ加熱するだけのような印象がありますが、MRO-TW1は「レンジ」と「オーブン」を併用して調理します。大きくて深めの容器が必要なので、耐熱ガラスボウルを用意しておくといいでしょう。

レシピブックを見て、最初に選んだのはカレー。作り方を見てみると、耐熱ボウルに入れる前にフライパンで肉や野菜の表面を焼くと記されていたのですが、洗い物を少なく済ませたいので、フライパンで炒めることはせず、カットしたままの食材を耐熱ボウルに入れて作ってみました。

ルウも含め、すべての材料を耐熱ボウルにセット。火が通りやすいように、肉はミンチに変更しました。オーブンシートで落としぶたをして、調理スタートします

約50分でカレーが出来ました。レシピには加熱中に、約15分間隔でボウルの中をかき混ぜるように指示があったのですが、めんどうなので(笑)、あえて放置。調理終了後にかき混ぜただけですが、まったく問題なかったです

大きめにカットした野菜にもしっかりと火が通っていながら煮崩れはなく、見栄えもなかなか。1〜2皿分の少量をパパッと作りたい時に、これはお手軽でいいですね

筆者宅では子どもが大好きなカレーライスを作る機会が多く、鍋で作ること自体はそれほど大変だとは思っていません。しかし、使用後の鍋を洗うのがめんどう。それがMRO-TW1を利用すれば、洗い物は耐熱ボウルひとつで済みます。食器洗乾燥機でも洗えるので、後片付けがラクなのはうれしい!

味の染み具合や荷崩れが気になる「ぶり大根」も、カレーと同じように耐熱ボウルに入れ、オーブンシートで落としぶたをして調理すれば完璧な仕上がりに! 18分ほどの加熱なので、手早く1品ほしい時にもうってつけです

【炒め物】手軽すぎる! 皿で作る「焼きそば」と「チンジャオロース」

煮物は鍋を使うよりも片付けをぐっとラクにしてくれたので、次は、フライパン代わりにオーブンレンジを利用する「炒め物」をしてみました。実は、炒め物とは言いつつも、利用する加熱方法は「レンジ」。レンジ加熱で炒めた感が出るのでしょうか。

まずは、焼きそば! グリル皿に食材をセットするのかと思いきや、普通の平皿に盛ればいいとのこと。

野菜、肉、麺、調味料(塩、こしょう、ソース)をすべて皿にセットします。ラップをして庫内に入れたら、メニューを選んで調理スタート!

7分程度で調理終了。加熱しただけではソースがからみませんので、全体を混ぜましょう

7分程度で調理終了。加熱しただけではソースがからみませんので、全体を混ぜましょう

皿の縁がソースで汚れてしまうので少し見栄えは悪いかもしれませんが、麺が焦げつくこともなく絶妙なやわらかさです。野菜もベチャついておらず、シャキシャキ! 肉も硬くなっていません

フライパンで炒めたような香ばしさはありませんが(焦げないから)、調理中に混ぜる手間がないのはラク。焼きそばをフライパンで作る場合、かなり頻繁に混ぜないといけませんからね。油を使っていないので、さっぱりした味わいなのも◎。

たっぷりの油で炒めるチンジャオロースも、焼きそばと同様に食材を皿に入れて加熱するだけ! こってりした油が苦手な人にも満足できる味わいです

【揚げ物】油を使わないノンフライでから揚げの味わいは?

今や、油で揚げないノンフライの揚げ物もめずらしくなくなりましたが、ダイエットや健康を意識するなら押さえておきたい調理方法。そこで、鶏のから揚げ、とんかつ、魚のフライ、えびフライを作って試してみました。なお、「揚げ物」はレンジ加熱で食品を加熱したあとに、オーブンで衣をカラッと焼き上げます。

まずは、「鶏のから揚げ」を作ってみましょう。から揚げ粉をまぶした鶏肉を焼網に並べて、セット

まずは、「鶏のから揚げ」を作ってみましょう。から揚げ粉をまぶした鶏肉を焼網に並べて、セット

油で揚げたから揚げと比べると色が薄く見えますが、皮はカリッと中はふっくらジューシー。油で揚げたものとは別物ですが、後片付けがラクなので手軽に挑戦できそうです

なお、「鶏のから揚げ」メニューには、過熱水蒸気で加熱することで脱油するメニューも用意されています。「鶏のから揚げ(脱油)」の場合は焼網ではなく、黒皿にから揚げ粉をまぶした鶏肉を並べてください。

「鶏のから揚げ(脱油)」は先に予熱を3分行う必要あり。予熱後、黒皿をセットして約22分加熱します

「鶏のから揚げ(脱油)」は先に予熱を3分行う必要あり。予熱後、黒皿をセットして約22分加熱します

同じ鶏肉を使いましたが、「鶏のから揚げ(脱油)」のほうが心なしかあっさりしている印象。ダイエット中の人や油っぽいものが得意でない人は試してみる価値あり!

鶏のから揚げを作ったあとは、とんかつ、魚のフライ、えびフライに挑戦! この3メニューはパン粉をまぶすのですが、付属のレシピの指示によると、パン粉を事前にフライパンできつね色になるまで煎っておくとのこと。しかし、それは正直めんどうです。荒業とは思いつつ、パン粉は煎らずにそのまままぶして調理しました。

パン粉を煎っていないため、やはり白い出来上がり。しかし、衣はサクサク、味はとんかつです。手間を省いても味は変わらないなら、アリなのでは!?

通常はフライパンで揚げ焼きする「白身魚のパン粉焼き」を「あじフライ」メニューで作ってみました。パン粉にカレー粉もまぶしたので、見た目は食欲をかなりそそります! 味わいはムニエル寄りな感じですが、17分ほどで調理できるので時間がない時にまた利用したいですね

レシピには生のえびにパン粉をまぶすと記されていたのですが、パン粉も付いた冷凍えびフライで試してみました。もともとパン粉が少しキツネ色になっていたので、見た目は上々。しかし、衣が若干しっとりしています。冷凍品を使ったのが原因なのでしょうが、手動でグリル加熱を追加すればいい感じに仕上がりました

使い勝手やお手入れのしやすさは最高!

およそ1か月間 MRO-TW1を使い、調理性能だけでなく、操作性やメンテナンス面が非常にすぐれていると感じたので紹介しておきましょう。上位モデルのオーブンレンジは多機能な半面、操作方法が複雑で使いこなしがむずかしいという声も聞きますが、MRO-TW1の操作部はダイヤルと厳選されたボタンのみというシンプルなインターフェイス。子どもや機械操作が苦手な人でもすぐに使い慣れることができる直感的な操作性だと思いました。調理に必要な付属品が、メニュー選択時に液晶モニターに表示されるのも便利です。また、白い庫内は汚れに気付きやすく、こまめに掃除するきっかけとなるのが◎。ドアを開けた時にはLEDが点灯するので、視認性も非常にいいです。

液晶モニターはモノクロで、文字が大きく表示されるため、非常に見やすいです。操作は主に右側のボタンとダイヤルで実行。たとえばオートメニューの場合、ダイヤルを回して番号を選んで「決定」ボタン→「スタート」ボタンと押すのが基本的な手順です

液晶モニターの左側には、ショートカットのような役割の4つのボタンが配置されています。「簡単レンジ」ボタンは押すたびに500Wと600Wが切り替わるので、使用頻度が高いレンジ機能を素早く利用できて便利

本体前面の右端にあるQRコードをスマートフォンで読み取ると、レシピブックや使い方が確認できるサイトが表示されます。ブックマークしておけば、いつでもどこでもチェック可能

調理中にはLEDが点灯するので、庫内の様子がバッチリ確認できます

調理中にはLEDが点灯するので、庫内の様子がバッチリ確認できます

白い塗装の庫内とLEDライトで奥まで見えやすく、底面のテーブルプレートは取り外して洗浄可能。庫内の手入れをしっかりしたい派には、うれしい機構です

まとめ

オーブンレンジ選びにおいて、本体サイズはとても重要な要素。内部構造の見直しが図られたMRO-TW1は、高さを1段調理モデル相当の36.5センチと抑えながらも2段調理に対応しているのが大きな魅力です。価格を抑えるために機能が絞られたといっても、今回使用した分には不足は感じませんでした。なかでも、解凍の実力はなかなかのもの。肉や魚を種類や部位に応じて的確な仕上がりにしてくれるので、冷凍保存することが多い家庭にとっては強力な味方になるのではないでしょうか。そして、オートメニューも便利! 正直、フライパンや鍋で作ってしまうほうが手早いのでは? とも思ったのですが、分量にかかわらず、ボタンひとつで料理が完成してしまう手軽さは料理が苦手な人のみならず、忙しい人にもうってつけ。複数のメニューを一度に調理できるオートメニューも、短時間で用意したい時にはありがたいです。

主菜+副菜2品の3品が同時に調理ができる「おかずセット」メニューは、全部で147通りの組み合わせの献立が可能

「おかずセット」メニューで作った3品。忙しい時にはとても便利な機能ですが、わが子が好むメニューがあまりなく、献立がワンパターンになりがちだったので、もう少しバリエーションが増えるとうれしいです

今回は手順を紹介していませんが、手動調理も難しくありません。焼き豚の場合、たこ糸で縛った豚肩ロース肉のかたまりを調味料に半日以上浸したあと、黒皿に置き、下段に入れてオーブン加熱(200℃)で調理。予熱なしで70分ほど加熱した焼き豚は、表面の焼け具合も火の通りも絶妙でした

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

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