会社勤めをしながら家事もこなす忙しいお母さんにとって、“時短”は大事なキーワード。そこで最近は、ほったらかしで料理が作れる自動調理器の人気が高まっています。なかでも、ショップジャパンが取り扱いをスタートしたイギリスの電気圧力鍋「プレッシャーキングプロ」(Pressure King Pro)は、英国生まれならではの洋食調理コースを搭載する1台。このプレッシャーキングプロで、あえて“日本の家庭料理”をどれくらい作れるか挑戦してみました!
ホームパーティーなどでも活躍できる1台。今回は洋食のコースを活用し、和食メニューをあれこれ作ってみました
プレッシャーキングプロは、圧力鍋の機能を備えた自動調理鍋とも言える存在で、5種類の自動調理コースを装備。「圧力調理」のほかに、「蒸し」「煮込み」「温め直し」「炊飯」などが行えます。鍋の中に材料を入れてボタンを押せば、あとはおまかせで料理を作り上げてくれる手軽さが魅力。さらに「無水調理」にも対応しているので、食材の栄養やうま味がたっぷり詰まったメニューを作れます。
ちなみにプレッシャーキングプロの価格は、直販サイト価格で15,000円前後。圧力調理機能の付いた自動調理鍋と考えると、最低ラインと言えます。多機能なモデルでは2万円台〜4万円クラスの製品もある中で、これなら手が出しやすいと思う方も多いのではないでしょうか。
というわけで、こちらがプレッシャーキングプロ。そのどことなくキングダム的(?)なネーミングも、イギリス感を彷彿とさせます。フロントに備える操作パネルのデザインがスマート
本体底面に搭載するヒーターで、内鍋に入れた食材を加熱調理するという、一般的な自動調理鍋/圧力鍋と同じ仕組みです。内鍋の満水容量は約3.2L、調理容量は最大約2.4L
フタには、圧力調理用の機構/パーツが装備されています。内ブタと圧力切り替えバルブは取り外して洗うことが可能
本体やフタのパーツをいろいろ取り外して同梱品を並べてみました。しゃもじ、計量カップ、取扱説明書&レシピが付属します
プレッシャーキングプロの使い方はシンプル。材料を鍋に入れて、フタを閉め、調理コースのボタンを押して調理時間をタイマー設定すればOK。火加減を調節する必要もなく、ほったらかしておけば、圧力調理を生かして、時短で料理ができあがります。
ところで、この調理コースのボタンを見てみると……「シチュー/スープ」「パスタ」などの名称が並んでいます。さすが、イギリス生まれを実感させるメニューと言いましょうか。洋食を想定して開発されているから当然といえば当然ですが、今回はせっかくの日本上陸記念(?)なので、日本の家庭料理にも応用できるのか試してみました。
「シチュー/スープ」「魚」「下ごしらえ/肉」「パスタ」「お米」「タイマー」などボタンが並んでいます。調理コースを選択してタイマーをセットするというシンプルな手順。タイマーは1〜120分で設定可能
まずは「シチュー/スープ」コースを利用して、寒い季節においしいおでんを作ってみました。プレッシャーキングプロなら、具材と調味料を入れたら「シチュー/スープ」コースのボタンを押して、15分ほったらかしておくだけでOK。硬い大根やダシ用の昆布にまで味が染みた、トロトロのおでんが完成します。
おでんの具材を内鍋の中に置き、そこにしょう油・酒・みりん・ダシの昆布を混ぜたおでんスープをかけるだけ
フタと取っ手の矢印をあわせてセットしたら(左)、手前側にクルッと回してロックしましょう(右)
フタを閉めて、「シチュー/スープ」コースでタイマーを15分にセットします
調理が終了するとディスプレイに「End」の文字が表示され、下側の「保温/煮込み調理」のランプが点灯し、自動で保温モードになります。ここまでで、余熱の時間も含めると、大体20〜25分です
ちなみに加圧調理中は、フタの上部に付いている圧力表示ピンが上がります。調理が終わると、危なくないようにゆっくり減圧し、圧力表示ピンが徐々に下がっていきます。写真右の状態のように、完全に下がりきらないとフタを開けられないので注意。調理終了後からこの圧力表示ピンが下がりきるまで、大体15〜20分くらいかかります
フタを開けると、熱々のおでんがばっちり完成! いいニオイがしておいしそう!
大根は中まで味が染みてトロトロ! だしの昆布までやわらかくホロホロになりました。圧力調理サマサマです。ちなみに、調理後の保温モードは24時間持続。おでんなら、内鍋のまま冷蔵庫で保存して、プレッシャーキングプロで温め直してもおいしく食べられます
続いては、「下ごしらえ/肉」コースを使ってみましょう。このコースでは、フタを外したままなら食材を炒めることができ、フタを閉めれば肉類などをじっくり加圧調理することができます。このコースを使いこなすと、かなり料理の幅が広がります。スペアリブやラタトゥイユなど、洋風のおもてなし料理で重宝しそう。今回は、日本の家庭料理の定番である肉じゃがを無水調理で作ってみました。炒める→煮込むの行程が短時間でスムーズに行えて便利です。
肉じゃがの場合、まずは「下ごしらえ/肉」コースを選択します。ディスプレイに「UNLC」の文字が表示され、余熱スタート→調理モードに(調理モードの持続時間は約3分。さらに調理を続けたい場合は、再び「下ごしらえ/肉」コースのボタンを押す必要があります)
牛肉や野菜を炒め、しょう油、酒、みりん、砂糖の合わせ調味料を入れれば準備OK
フタを閉めて、「シチュー/スープ」コースに切り替えます。あとは15分タイマーでほったらかしておけば……
食材の栄養やうま味がたっぷり入った「無水調理」による肉じゃがが完成!
普通にお鍋で作った肉じゃがと比較してみました。同じ15分の煮込み時間で食材に火は通りますし、見た目もそこまで差はないのですが……
食べてみると、特に野菜の味が雲泥の差! 普通のお鍋で作ったほうは野菜特有のシャリシャリ感が少々残っているのに対し、プレッシャーキングプロで作ったほうはじゃがいもやにんじんが超ホクホクで、味がしっかり染み込んでいます。圧力調理のおかげで、短時間でおいしく仕上がりました
プレッシャーキングプロを使っていて筆者が便利に感じたのは、「パスタ」コース。乾燥パスタを茹でるのはもちろん、そのまま同じ鍋で味付けして炒めることも可能なので、この1台でパスタ料理が最初から最後まで完成しちゃいます。
今回は和風レシピということで、この「パスタ」コースを応用し、かんぴょうを煮てみました。2分ほどの短時間で“煮込んだ”のと同じような状態になるのですごく楽チン! 味を染み込ませるのに時間がかかるかんぴょうや干ししいたけが、トータル15分ほどで甘辛〜く仕上がりました。
水洗いしてひと口サイズに切ったかんぴょうと、干ししいたけをお鍋に入れます(モノによりますが、漂白かんぴょうの場合は、事前に塩でていねいにもみ洗いしたほうがよい)。あとは、水、しょう油、みりん、砂糖を入れれば準備完了。「パスタ」コースで2分間加圧調理します
余熱時間も含めて大体4〜5分後(減圧時間を含めるとトータル約20分後)、フタを開けるとかんぴょうがトロトロにやわらかくなって、味も染み込んでいます。あとは「下ごしらえ/肉」コースに切り替えて、好みで味付けを調整しながら煮詰めましょう。最後に絹さやを追加してざっくり混ぜて完成!
ちなみに、本コースを使って普通にパスタを調理しようとすると、内鍋のサイズ的にスパゲティなどの長い乾麺は入りづらいので注意です。参考までに、ペンネを使ってトマトチーズグラタンを作ってみました。お鍋ひとつで茹で→味付けまで完成するので、とても手軽。
「パスタ」コースでペンネを加圧調理→「下ごしらえ/肉」コースに切り替えて生クリームとトマトで味付けして煮込みます。このままでもおいしい
これを耐熱皿によそい、チーズを乗せてオーブントースターで焼けば、ホワイトソースを使わない簡単トマトチーズグラタンの完成! めっちゃウマい
もうひとつ、プレッシャーキングプロで見逃せないのが「炊飯」コース。英国のメニューで「お米」コースがあるってどういうこと? と思ったのですが、どうやらリゾットやパエリアなんかを作るコースとして設定されているようです。
この「お米」コース使うと、2合のお米を炊飯する時間がたったの6分で済んじゃいます。余熱時間もあるし、調理終了後に圧力を抜く時間もあるので、トータルでは20分くらいかかりますが、それでも早いほう。プレッシャーキングプロの時短機能として、注目したいポイントです。
研いだお米を内鍋にセットして「お米」メニューを選択するだけ。なお、内鍋にキズが付いてしまうので、お米を研ぐときは別の容器を使いましょう。1度に炊けるお米の量は2〜5合
6分で炊飯が完了し、ふっくらご飯のできあがり! 減圧の時間を含めると、トータルで20分くらいでした
粒感のしっかりしたシャキシャキ系の炊き上がり。卵かけご飯やカレーと相性がよさそうです。写真右は、お酢を加え、先ほど作ったかんぴょう煮と混ぜて、簡単混ぜご飯にアレンジ。シャキシャキ系なので、酢飯が合います
本製品の「魚」コースは、魚を骨までやわらかく調理できるメニューとして搭載されています。それだけではなく、別売の「蒸しプレート」を使用すれば、「魚」コースで蒸し調理も可能。食材のうま味はそのまま、胃腸にやさしいヘルシーな蒸し物ができるのです。今回は、タラと野菜の蒸し物を作ってみました。
MINまで水を入れたら、別売の「蒸しプレート」を設置します
塩コショウだけを振った食材を乗せて、「魚」コースで5分蒸し上げてみましょう
タラと野菜の蒸し物が完成! タラにも野菜にも、ホクホクに火が通っています
満を持して日本上陸したイギリス生まれの電気圧力鍋、プレッシャーキングプロ。その調理コースをうまく活用すると、日本の家庭料理を作るのにもかなり使えることが実感できました。強いていえば、付属のレシピ数が8種類とやや少なめなので、もう少し種類があれば初心者には心強いかも。しかし、とにかく使いこなしがいがあることは確かです!
今回は和食を中心に作ってみましたが、洋食はもちろん、中華料理やエスニック料理などにも応用できそう。これからやってくる出会いの季節に、ホームパーティーなどでも活躍できる1台だと思います。
上述の通り、圧力調理後に蒸気を噴出させずに時間をかけて減圧する安全設計。ただ、急いでいるときなどは、フタに付いている圧力切り替えバルブを回して、一般的な圧力鍋のようにプシューッと一気に蒸気を噴出し、すぐ減圧することも可能。その際は、危ないので圧力切り替えバルブに布巾などをかぶせることが推奨されています
お手入れが簡単なところも魅力。内鍋は焦げ付き防止加工されているので、大体どんな料理を作ってもこびり付きが少なく、スルッと洗うことができるのが便利です。ペンネを煮込んだときにチーズがこびり付いた内鍋も、普通の台所用中性洗剤でササッとキレイに
フタは、内ブタとゴムパッキン、圧力切り替えバルブを外して水洗い可能。圧力表示ピンは抜いてはいけないようなので、つまようじなどで詰まりがないか手入れしましょう
オーディオ&ビジュアル専門サイトの記者/編集を経て価格.comマガジンへ。私生活はJ-POP好きで朝ドラウォッチャー、愛読書は月刊ムーで時計はセイコー5……と、なかなか趣味が一貫しないミーハーです。