今いちばん注目を集めているトースターといえば、昨年2023年11月に発売されたツインバードの「匠ブランジェトースター」ですが、みなさんご存じでしょうか?
発売後さまざまなメディアに取り上げられ、価格.comの「トースター」カテゴリーの人気売れ筋ランキングでも上位にランクインする人気ぶりです。今回は実際に「匠ブランジェトースター」を使ってパンを焼き、使いやすさやお手入れのしやすさなどもチェックしたので、ぜひ参考にしてください。
本体サイズは250(幅)×253(高さ)×371(奥行)mm。重量約4.2kgで、価格.comの最安価格は18,820円(税込)
さっそく「匠ブランジェトースター」の特徴を紹介していきたいところですが、本製品のポイントを1分ほどの動画にまとめたので、まずはこちらをご覧ください。
ということで、ここからは「匠ブランジェトースター」の特徴をチェックしつつ、動画では紹介しきれなかったポイントも合わせて紹介してきますが……。
そもそも「匠ブランジェトースター」は、パン職人の大会(iba cup 2015)で世界一に輝いた浅井一浩氏監修のもと、約3年間、何度も試作機を作り、試食をして、改良して……というのを繰り返し、完成したこだわりの詰まったトースターです。
そんな「匠ブランジェトースター」の1つ目のこだわりポイントは、徹底した「温度管理」です。みなさんは、トースターでパンをリベイク(再温め)したときに焦げてしまったり、パサパサな食感になってしまった経験はないでしょうか?
この問題を解決し、外はカリカリで、中はしっとりという、焼きたてのパンのおいしさを再現するためにこだわったのが、外側と中身の絶妙な温度のバランスでした。
本機は、素早く立ち上がり外側を一気にサクサクにして、内部の水分が逃げるのを防ぎます。そして、焦げ目が付かない火力でじっくり内部を温める独自の火力調整プログラムで、まるで焼きたてのようにリベイクするのです。
扉が小さく奥に深い「窯」から着想を得て、熱を逃がさず閉じ込めやすい奥行きのある構造にすることで、絶妙な温度バランスを生み出し、安定した火力をコントロールしています
2つ目のポイントは、パンの表面と内部をそれぞれ温めるために搭載した2種類のヒーターです。庫内上部に遠赤外線カーボンヒーター、底面には近赤外線ハロゲンヒーターを配置し、遠赤外線は主にパンの表面を加熱し、パリッと焼き上げます。いっぽう近赤外線は、パンの内部をじっくり温め、もっちり食感に仕上げているのです。
庫内上部に搭載されている遠赤外線カーボンヒーターは、トースト時の仕上げの焼き付けや、追加でパンを加熱する「バーナーモード」などでも使用します
庫内の温度をセンサーが計測して自動で制御しています。底面の近赤外線ハロゲンヒーターもパンや庫内の状態に合わせて、点灯したり消えたりを繰り返して温度を調節します
3つ目のポイントは、使い勝手のよい工夫が施されていることです。パンをおいしく仕上げることはもちろんですが、実際に使ってみると「細かいところに気がきいているな」と感じるところがあります。個人的によいなと感じたところをいくつかピックアップしました。
「トースト」「クロワッサン」「フランスパン」「カレーパン」「アレンジトースト」「MANUAL」などの各モードの選択、トーストの焼き色やマニュアル時の温度設定などもダイヤルを回して操作が可能
キッチン回りは炊飯器や電子レンジなどスペースを取る家電が多く、なかなか置き場が見つからないのですが、本機は横幅がスリムな構造なので、キッチンのわずかな隙間にもスッと収まってくれそうです
意外と面倒な庫内の掃除や手入れですが、本体の底に設置されたくず受けは、手軽に取り外すことができ、庫内のお手入れも簡単
ここからは実際に「匠ブランジェトースター」を使ってパンをリベイクしたときの様子やポイントを紹介していきます。
まずはトースターのメイン機能でもある食パンのリベイクです。最大2枚の食パンを同時に焼くことができ、パンの厚さは8〜4枚切り(約1.5〜3cm)に対応しています。焼き色は「薄い」「普通」「濃い」の3段階から選べますが、パン職人監修の焼き加減は「普通」のみとなっているので、注意が必要です。焼き上がりまでの時間の目安は、1枚(常温時)で約2分15秒〜3分。冷凍したものでも3分30秒ほどで焼き上がります。
気になる焼き上がりですが、表面のサクッとした食感と、中のもちもちとした食感がしっかり味わえる仕上がりで、とにかくおいしいです。前述のこだわりの焼き方でも紹介しましたが、素早く食パンの表面を焼き上げ、じっくり中を温めるので、パンの中に水分や香りが閉じ込められているような印象でした。
最初は食感や味わいのよさに魅了されますが、何枚も食べていくうちにパンが本来持っている小麦の香りのよさも感じられます
続いてはクロワッサンですが、今回いちばん衝撃を受けたのは、この「クロワッサンのリベイク」と言ってもよいでしょう。一度でもクロワッサンをトースターで温めたことがある人であれば、おわかりいただけると思いますが、クロワッサンはとにかく焦げやすい。しかも、パンの中が硬くなってしまうことが多い印象です。
うまく焼けるかな……と思いながら、待つこと約4分。まずいちばん驚いたのが、リベイク前とリベイク後でほとんどクロワッサンの色味が変わっていないこと。焦げていないどころが、色が変わっていません。
実はこれ、「匠」のこだわりのひとつで、食パン以外のパンは基本的に「売っている状態」が最適な焼き色だと言います。リベイクして焼き色が濃くなっているのは「焼きすぎた状態」で、小麦の香りも弱いそうです。
みなさんはどっちがリベイク後のクロワッサンか、わかりますか? 正解は左側がリベイク後のクロワッサンです
さらに衝撃を受けたのが、食べたとき。外はサクッとした食感ですが、中はしっとりもちっとした食感が残っていて、とにかくおいしいのです。見た目はほとんど変化していないのですが、味も香りも食感もほぼ焼きたて状態。まさに「リベイク」ですし、「匠」のこだわりを垣間見られたような気持ちすらわき上がる、そんな焼き上がりでした。
外側サクサク、中はもちもちという食感も驚きましたが、かなりバターの香りが際立っていたのも特徴です。これも温度管理がなせる「匠」の技なのでしょう
次は惣菜パンの代表カレーパン。こちらも気をつけて温めないと、中のカレーが冷たいままだったり、パン部分がパサパサになってしまいがちなのですが、「匠ブランジェトースター」にはそんな心配は不要なようです。
こちらもクロワッサンと同様に、リベイクも焼き上がりの色味は、ほとんど変わらないのですが、約6分で外はサクサク、パンはもちもち、中のカレーはほかほかと、まるで焼きたてのような仕上がりです。
こちらも左側がリベイク後のカレーパンで、右がリベイク前です。色味の変化や焦げ付きもありません
通常のリベイクよりもさらに衝撃を受けたのが、「冷凍カレーパンのリベイク」です。一体どれだけ驚くんだ、と思われてしまうかもしれませんが、カチカチに凍ったカレーパンを焼きたてのようにおいしく仕上げる温度管理や焼き加減は、「匠」のこだわりを感じずにはいられません。
冷凍カレーパンのリベイクは本当にすばらしいのですが、唯一悩ましい点をあげるとすれば、温めの時間が約15分ととにかく長いこと。時間のあるときにぜひ試してほしいリベイクです
最後はフランスパンです。外側のバリバリとした食感と中のやわらかいもちもち食感、そして小麦の香りを楽しむのであれば、フランスパンがいちばん適しているかもしれません。
さらに付属のガイドブックには「フランスパンのスライス」「フランスパンの並べ方」など、よりおいしく味わうためのポイントもまとめてあるのもうれしいです
フランスパのリベイクの際は、パンの断面をヒーターには向けず、クラストと呼ばれる外側の硬い部分がヒーターにあたるようにするのがポイント。外はバリバリ、中はもっちりした食感を味わえます
ご覧いただいたように、「匠ブランジェトースター」のこだわりはもちろん、実際に使ってみた魅力やおいしさを、少しはお伝えできたかと思います。どのモードもおいしくすばらしい仕上がりですが、やはり個人的には、クロワッサンのリベイクを多くの人に体験してほしいところです。
また、今回人気のトースターをレビューするにあたり、かなりの量のパンをリベイクし、食べてきましたが、食べれば食べるほど、パンの魅力や本来のおいしさを味わえました。リベイク前にはわからなかった食感や香りを楽しめるのは、面白い体験ですし、使えば使うほど“匠のこだわり”を感じられたような気がします。
逆に気になった点をあげるとすれば、マニュアルモードのレシピ数でしょうか。取扱説明書やツインバードの公式HPに調理例やレシピがいくつか紹介されていますが、せっかくだからもっと活用して、たくさん使いたいと思ってしまうもの。そんな魅力が「匠ブランジェトースター」にあるのは確かです。
たくさんのこだわりが詰まっており、なかなかほかでは味わえない「おいしいパン体験」ができるトースターなので、パン好きの方はもちろん、購入するか悩んでいる方も価格.comのクチコミを参考にしたり、量販店などで実機をチェックしてみてください。