仕事で疲れて帰った時こそ、おふくろの味のような「ちゃんとしたもの」が食べたくなるもの。でも、疲れている時に時間のかかる煮込み料理などを作るのは難しい。そんな1人暮らしや共働き夫婦の食生活を支えてくれそうなのが、オークセール「シロカ 電気圧力鍋 クックマイスター SPC-101」(以下、クックマイスター)だ。「クックマイスター」は1台で電気圧力鍋とスロークッカーの役割を果たすというのだが、その“使える”度はいかほどなのか。ためしに、1週間分の夕飯を「クックマイスター」のみで作ってみることにした。
<新モデル>シロカの電気圧力鍋だけで、1週間の夕食を作ってみた(再び)
「クックマイスター」は、短い時間で長時間煮込んだような料理を作ることができる電気圧力鍋と、沸騰しない温度で長時間かけてゆっくり煮込み調理をするスロークッカーの機能をあわせ持っている。加圧調理時の圧力はマイコン制御されるため、火の番も煮込み具合のチェックも不要だ。電気鍋というと、大量の煮込み料理を一気に作れるような大きさをイメージされるが、「クックマイスター」は1〜2人分の調理にちょうどよいコンパクトサイズ。付属の蒸し台を使用した蒸し調理機能や、炊飯モードも搭載されているなど、多用途に使うこともできる。
本体サイズは219(幅)×233(奥行)×262(高さ)mmで、重量は2.7kg。3号炊きの炊飯器くらいのサイズだ。調理容量は1.3Lで、お米なら3号まで炊飯可能
操作はボタンのみなので簡単。ただ、高級炊飯器のように文字でメニュー名が表示されたりはしないので、慣れるまではどういう設定になっているかがパッと見でわかりづらいかも
フタにある圧力密閉弁を「密閉」にすれば蒸気が外にもれず、加圧調理ができる
さっそく、夕食作りをスタートする。この1週間は、レシピに指定がある場合を除いて、夕食のメイン料理の支度に「クックマイスター」以外の調理器具を使わないこととした。
付属のレシピブックには、加圧調理、スロークッカー合わせて50種類のレシピが掲載されている。今回はおもにこのレシピブックを参考に調理
仕事帰りに寄ったスーパーでぶりが半額になっていたので、ぶり大根を作ってみることにした。普通に作ると味がしみるのに1時間は見ておいたほうがよいし、火の番が欠かせないメニューだが、「クックマイスター」なら、30分程度の加熱でできるという。
切った材料と合わせ調味料をなべに入れてスイッチを入れるだけかと思いきや、初日からフライパンが必要に。ぶりに焼き色を付けるのだが、臭みを取るためと思われるので、身に熱湯をかけるだけでもよさそうだ
焼き色を付けたぶりと大根、合わせ調味料を内なべに入れる
フタをしたら、加圧調理の場合は、圧力密閉弁が「密閉」に位置していることと、圧力表示ピンが下がっているのを確認する
「加圧調理13分」にセットして調理スタート
ちなみに、加圧調理は13分でも、加圧調理が開始されるまで数分(調理によって差がある模様、今回調理したメニューだと1〜3分だったと記憶)と、減圧までの数分がかかるので注意。調理中はほとんど音がしないため、キッチンとの仕切りのないワンルームの部屋でも、音が気になるということはないはずだ。調理完了時には「ピー」と1回アラームが鳴るが、この音はやや小さめ。
調理完了のアラームが鳴っても、圧力表示ピンが上がっている時はまだ加圧状態なので、圧力表示ピンが下がるまで待ってからフタを開ける
勢いよく蒸気が出る可能性があるので、フタを開けるときは必ずミトンを着用する。本体背面のロックピンでフタを固定しているので、開ける際はこのピンを引きながらフタを回す
加圧調理が終了したら、「保温」状態で20分待つ
できあがりは、ぶりにも大根にもしっかり味がしみていた。大根もこのとおり、箸がスッと通るほどやわらかくなった
いつもはメインを一品作ったら力尽きるが、「クックマイスター」ならほったらかし調理ができるので、副菜に冷奴をつけるという余裕も生まれた
肉料理にも挑戦。こちらも手のかかるイメージの「手羽元の煮込み」を作ってみる。「クックマイスター」なら合計13分の加圧調理で軟骨までやわららかく仕上がるという。
ちなみにゆで卵も「クックマイスター」で作ったもの。約1分の加圧でしっかり固ゆでに仕上がる
鶏肉にしっかり味がしみているのはもちろん、やわらかく骨ばなれがよいので、箸でも食べやすい
3日目は夜に飲みに出かけたため、「クックマイスター」での調理はお休み。翌日もランチをかなりいっぱい食べてしまったので、夜はサラダで軽めに済ませることに。前日から仕込んでおいたチキンを蒸してサラダにのせた。
付属の蒸し台に下味を付けた鳥むね肉をのせて、3分間の加圧調理で完成。写真ではわかりづらいが、蒸したことでふっくらと厚みが増している
蒸し調理の場合は調理中に蒸気が出るので、ヤケドに注意
最近人気の「サラダチキン」のように、しっとりしていてやわらかく、自画自賛のおいしさ!! ただ、ジューシーさには欠けたので、もう少し加熱時間は短くてよかったかも
本当は丸ごとサラダに乗せようと思ったが、あまりのおいしさに、スライスしたそばから何度もつまみ食い。残ったのは半分だけだった
スロークッカー機能を使ってみたくなったので、レシピには載っていないが、チキンカレーを作ることに。最初に材料を炒めることはせず、そのまま鍋に投入して10時間煮込んでみた。
「スロークッカー」モードで10時間にセットする(最長24時間まで可能)。ちなみに左側の文字は、「5」ではなく、スロークッカーの「S」
切った材料をカレールウ、水と一緒にスロークッカーモードで一気に煮込むだけ
全体的な印象は鍋で調理したものと同じような味わいだが、ゆっくり煮込んだせいか、具の食感が普通とは違う気がした。鶏肉はツナのようにほろほろ、じゃがいもやにんじんはとろけるようなやわらかさでおいしい!
本当に忙しい日は、買ってきた食品を温めるだけで精一杯なこともある。そんな時も「クックマイスター」は大活躍だ。今回はチルドのシュウマイを蒸してみたところ、レンジで温めるよりもふっくらやわらかく仕上がった。
内なべに水を入れ、蒸し台にシュウマイをセット。加圧時間はたったの1分
皮がやわらかくふっくら仕上がるので、レンジで温めたものよりもやさしい味わい
最終日は、一番作ってみたかった「いわしの梅煮」を作ることに。短時間でいわしの骨までやわらかく煮込めるかが気になっていたのだ。加圧時間は長めの30分となる。
下処理をしたいわしと調味料、梅干を入れて加圧調理
味のしみ具合はばっちり。太い骨はさすがにまだ固さが残っていたが、細い骨は完全にやわらかくなっていて食べやすい
実は、筆者は、以前持っていたガス調理用の圧力鍋では、怖くて途中で火を止めてしまい、1度も調理を完遂したことがなかった。「クックマイスター」も電気とはいえ圧力鍋なので、1回くらいうまくできない日もあるだろうと思っていたのだが、今回調理したすべてのメニューが成功した。1週間使用しただけでだいぶ感覚がつかめてきたので、もっと使い込めば、加圧時間を自分で調整して調理できそうだなと感じる余裕も生まれたほどだ。
正直なところ、「クックマイスター」を使用しても下準備が楽になるわけではないので、それなりの時間、キッチンには立たなくてはならない。しかし、火の番をしなくてよいので、ほかに一品簡単な副菜をプラスする余裕もできるし、ガスレンジが汚れることがないため片付けが簡単なのも忙しい人にはかなりうれしい。油を使用しないメニューが多いので、ヘルシーに調理できるのも非常に魅力的だ。1人暮らしやDINKS世帯では、かなり重宝されるのではないだろうか。
ということで、筆者の場合、「クックマイスター」の“使える”度はかなり高いという結果になった。欲を言うとすれば、付属のレシピにスロークッカーのメニューが3つしか掲載されていないので、もっと増やしてほしいところだろうか。
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。