レビュー

ふわふわの塩糀パンや2種類の焼き芋が作れるホームベーカリー「ふっくらパン屋さん」に激ハマり!

“自家製”が大好きな筆者はホームベーカリーを所有していますが、8年も愛用しているのでそろそろ買い替えを検討中。そこで目をつけたのが、エムケー精工「ふっくらパン屋さん」です。前モデルで作ったフレッシュバターがとってもおいしそうだったこともあり、「ふっくらパン屋さん」の新モデルを狙っていました。8年の間に、ホームベーカリーはどれほど進化したのでしょうか。

1斤、1.5斤どっちを選ぶ?

朝食はパン派の筆者は、ホームベーカリーで食パンをよく作ります。しかし、練り〜焼きまでホームベーカリーに“おまかせ”できるとはいえ、4時間ほどかかるため毎日作るのは少々めんどう。もちろん焼きたては最高ですが、作った食パンを保存しておき、食す際にトーストしても十分おいしいので量が多い分には困りません。「ふっくらパン屋さん」には容量1斤(HBK-101P)と1.5斤(HBK-152W/HBK-152P)がラインアップされていますが、筆者のような作り置きOK派なら1.5斤タイプを選ぶのもありでしょう。食べ盛りの子どもがいる3人家族の方からは「1斤では足りない」という声をよく聞くので、意外と大きな容量のほうが便利かもしれません。1.5斤タイプでも1斤の食パンは作れるので、“大は小を兼ねる”で決めてもよさそう。

1.5斤の食パンが作れるため、サイズは25(幅)×30(高さ)×40(奥行)cmと少々大きめ

1.5斤の食パンが作れるため、サイズは25(幅)×30(高さ)×40(奥行)cmと少々大きめ

一般的なホームベーカリー同様に、ヒーターで焼く仕様です。定格消費電力は470W

一般的なホームベーカリー同様に、ヒーターで焼く仕様です。定格消費電力は470W

パンケースと羽根は1種類のみ付属。パン以外のメニューを作る時に羽根を交換しなくていいのはラクですね

パンケースと羽根は1種類のみ付属。パン以外のメニューを作る時に羽根を交換しなくていいのはラクですね

材料(強力粉、砂糖、塩、バター、スキムミルク、水)をパンケースに投入。ドライイーストの自動投入機能はないため、ほかの材料と一緒に入れます

食パンのメニュー番号を設定し、調理スタート! ちなみに、パンの焼き色は「うすめ」「ふつう」「こいめ」を選べます

約4時間20分で焼き上がりました。パンケースからはみださんばかりに大きくふくらんでいます

天面も側面もきれいなキツネ色がついており、見るからにおいしそう。本体に窓のあるホームベーカリーは天面の焼き色が薄くなりやすいので、この仕上がりは見事

ふわふわととてもやわらかなクラム(パンの白い部分)と、適度な弾力を持つクラスト(パンの耳の部分)のバランスが絶妙です。パンの耳が苦手なわが子にも好評。1.5斤は大きいかな? と思っていたのですが、しっとりとした口どけなので気付いたら2/3も食べていました(汗)

残ったパンはビニール袋に入れて冷蔵庫で保存しましたが、トーストすれば味に不満なし! この味わいなら、一度にたくさん作れるほうがありがたい

ちなみに、1斤の分量で食パンを焼くと平べったい状態になります。パンケースが1.5斤と同じですからね……

ちなみに、1斤の分量で食パンを焼くと平べったい状態になります。パンケースが1.5斤と同じですからね……

カットすると、1斤でも悪くない仕上がり! クラムの割合が少なくなるので、クラスト好きなら1斤のほうが満足感を得られるかもしれません

多様なメニューが楽しい&ウマ過ぎた!

ホームベーカリーの楽しさは、材料を変えるだけで「フランスパン風食パン」や「ごはんパン」といったさまざまなパンが手軽に作れるところにもあります。餅やあんこ、チーズなどパン以外のメニューが用意されていることも多く、1台でいろいろ“使える度”はハンパじゃない! HBK-152W/HBK-152Pには32メニューが搭載されており、筆者はその中の塩糀(こうじ)パン、シュトーレン、ヨーグルト、焼き芋というめずらしいメニューに興味を引かれました。

最初にトライしたのは、塩糀パン。塩糀を生地に練り込むことで、パンがふっくらとふくらみ軽い食感になるそう。なお、塩糀はマルコメ「生塩糀」が推奨されています。

材料は普通の食パンと同じですが、分量が若干異なります。塩糀パンは普通の食パンよりも投入する塩の量が2g少ない4gとなるものの(1.5斤の場合)、塩糀を15g加えなければなりません。しょっぱくならないのか、少し不安です

4時間10分で焼きあがりました。基本の食パンよりもやわらかいので、つぶれないようにカットするのがひと苦労。塩糀の影響でしょっぱくなるのかと思いきや、ほんのり塩気を感じる程度でした。塩糀にはビタミンB群がたっぷり含まれているため、同じようにパンを食べるのでも塩糀パンのほうが美容にいいかも!?

食感がサンドイッチ用のパンに近いことから、和風のオープンサンドにしてみたところ大正解! 和な食材があいます。パン自体に少し塩味が付いているので、具材の味付けを控えめにしても物足りなくはないでしょう

続いて、クリスマスに用意したいドイツの菓子パン「シュトーレン」を作ってみましょう。シュトーレンはドライフルーツやナッツなどをバターたっぷりの生地に練り込んだイースト菓子で、日が経つほどに味わいが深くなる変化を楽しみながら少しずつ食べるもの。シュトーレンの作り方も、パンケースに材料を入れ、ボタンを押すだけなので難しくありません。仕上げに粉砂糖をふると、シュトーレンが完成です。ちなみに、「シュトーレン」は1斤タイプ(HBK-101P)には非搭載。

運転を始めて約9分後に、生地に練り込む具材を入れる合図が鳴ります。自動で具材を投入してくれる機構も搭載されていないので、手動。レーズンやフルーツミックス、アーモンドなどを投入しましょう

焼きあがったシュトーレンに溶かしバターを塗り、粉砂糖をふりかければ完成です。成形の手間がないのがいいですね。出来たてのふわふわ感を楽しむもよし! 冷蔵庫に入れて、バターやドライフルーツのうまみがどんどん凝縮さていくのを堪能するもよし!

3つ目のチャレンジは、ヨーグルト作り! 発酵温度は3段階用意されており、種となるヨーグルトにあわせて設定します。

用意するのは、無調整の牛乳と種にするプレーンヨーグルトです。今回は、カスピ海ヨーグルトをチョイスしました

付属の容器に牛乳200mlとヨーグルト20gを入れ、羽根を外したパンケースにセット

付属の容器に牛乳200mlとヨーグルト20gを入れ、羽根を外したパンケースにセット

一般的なヨーグルトの設定温度は「中」か「高」となりますが、カスピ海ヨーグルトを用いる場合は「低」を設定。「中」「高」での発酵時間は8時間、「低」は24時間かかります

24時間発酵させた直後はやわらかなヨーグルトといった感じで、カスピ海ヨーグルトの特徴である“ねばり”がありません

冷蔵庫で4時間冷やしてみたところ、見事、カスピ海ヨーグルト特有のねばりが! 種としたカスピ海ヨーグルトに比べるととろみがあるものの、酸味が抑えられてまろやかになった印象です。付属の容器を使った場合、1回でできる量は200ml程度ですが、500mlの牛乳パックを利用してたくさんの量を作ることも可能

最後は、この季節になると食べたくなる「焼き芋」を作ってみましょう。ホクホクとした焼き上がりになる「ほっくり焼き芋」と甘くねっとりとした味わいになる「蜜甘焼き芋」の2つのメニューが用意されています。本当に味や食感が変わるのか、同じ種類のさつまいも(紅あずま)で調査!

さつまいもに竹串などを使って3cm間隔で穴をあけます。全体に均一にあけるのは、少々手間

アルミホイルでさつまいもを包み、羽根を外したパンケースにセット。1.5斤タイプなので、1本の状態で入りました(パンケースに入らないほど大きいさつまいもは、適度にカットすればOK)

さつまいもの大きさによって設定する時間は変わり、150g以下の場合は「ほっくり焼き芋」が1時間30分、「蜜甘焼き芋」が2時間10分。最大容量の700gをセットするとそれぞれ運転時間が1時間長くなります

完成した焼き芋は、それほど焦げてはいません。中までやわらかくなっているのでしょうか……

完成した焼き芋は、それほど焦げてはいません。中までやわらかくなっているのでしょうか……

「ほっくり焼き芋」はホクホクとしてさつまいもの繊維質が感じられる食べごたえのあるオーソドックスな仕上がりだったのに対し、「蜜甘焼き芋」は甘みが強く、ねっとりとした食感でスイートポテトのよう。同じさつまいもで作った焼き芋とは思えません!

まとめ

ホームベーカリーの基本的な構造は筆者所有の8年前の製品と同じものの、搭載されているメニューは数が増えただけでなく、バリエーション豊かになったと感じました。頻繁に利用するのは食パンですが、作ってみたくなるようなメニューが用意されているのは魅力的ですね。今回試した中では、ふわふわ感がたまらない「塩糀パン」や、甘みの増大がハンパじゃなかった「蜜甘焼き芋」はイチ押し。とくに、2つの味と食感に焼き分けできる「焼き芋」メニューは、どのように変化するのかを知りたくて、いろいろな種類のさつまいもをセットして楽しんでいます。

生活家電は、“どれだけの頻度で使えるか”も忘れてはならないこと。DCモーターやIH加熱を採用しているタイガー「KBX-A100」のような明確な機能差がある場合は別ですが、ヒーターとなる電熱線が底面に1本装備されている一般的なタイプなら好みのメニューが多いものを選び、“箪笥の肥やし”にならなそうなものを選ぶといいでしょう。ただし、筆者のこれまでの経験からすると9,000円以上の製品を選択するほうが、焼き上がりが安定していて味の満足度も高いはずです。

「ふっくらパン屋さん」を選択するきっかけとなった手作りバターは、前モデルの評価のとおり、感動するおいしさ。このバターを食べたいがために購入しても損はしないでしょう

神野恵美

神野恵美

雑誌記者・編集者などを経て、2004年に渡仏。2006年に帰国後はさまざまな媒体において、家電をはじめ“ライフスタイル”的切り口で多ジャンルの記事を執筆。

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