レビュー

耳の形状にあわせてサラウンドを最適化!クリエイティブの「Super X-Fi」が画期的

Super X-Fi技術搭載の一体型モデル「SXFI AIR C」

続いてレビューするのはクリエイティブのUSB接続用のヘッドホン「SXFI AIR C」だ。「SXFI AMP」はSuper X-Fi 技術搭載のヘッドホンアンプだったが、PC・PS4の組み合わせ以外にAndroidのスマホと組み合わせられたり、ヘッドホン・イヤホンも自由に使えてプリセットまで選べたりと、汎用性によく配慮された製品だった。

いっぽう、PC、コンシューマーゲーム機向けにSuper X-Fi 技術搭載でもっと簡単に使えるヘッドホンはないの? という人に向けた製品が「SXFI AIR C」だろう。接続方法はUSB接続専用、ノイズ低減タイプのClearCommsマイク搭載とゲーミング志向。ヘッドホンは50mmネオジウムマグネットドライバーを搭載している。USBはPC接続用なので、こちらはモバイルとは縁のない製品といえる。

ヘッドホン一体型のパッケージ。USBケーブルもPC接続用のみ付属

ヘッドホン一体型のパッケージ。USBケーブルもPC接続用のみ付属

スタンダードなヘッドホン型の「SXFI AIR C」

スタンダードなヘッドホン型の「SXFI AIR C」

ボタンは音量+/-とSuper X-Fi  のON/OFF、再生/停止、マイクミュートとゲーミング向け

ボタンは音量+/-とSuper X-Fi のON/OFF、再生/停止、マイクミュートとゲーミング向け

ヘッドホン横のライトはボタン消灯、アプリで色カスタマイズも可能

ヘッドホン横のライトはボタン消灯、アプリで色カスタマイズも可能

先ほどモバイルとは縁のない製品と言い切った訳だが、Super X-Fi 技術を使うにあたってはヘッドマッピングによるパーソナライゼーションが必須なので、やはり最初のセットアップはスマホからスタートすることになる。ただし、「Creative SXFI AIR C」ではスマホのカメラから耳を撮影してパーソナライズをする「SXFI APP」にAndroid 版、iOS版を利用できる。そう、初期設定にiPhoneも使えるのだ。

アプリから耳に合わせて撮影をしてクラウドにアップするところまでは同じだが、クラウドから「Creative SXFI AIR C」にプロファイルをロードする部分は、パソコン用の「SXFI Control」ソフトを利用することになる。「SXFI Control」のソフトからSuper X-Fi アカウントにログインしてあれば、自動的に「SXFI AIR C」へのプロファイルのロードが完了。ドライバーやコントロールパネル等の設定変更は不要だ。

iPhone版アプリでヘッドマッピング

iPhone版アプリでヘッドマッピング

ゲーム機、PC前提なら「SXFI AIR C」はお手軽で臨場感抜群

「SXFI AIR C」でも『Shadow of the Tomb Raider』(Steamの体験版)をプレイしてみると、やはりPCゲームのサラウンド効果は別格。ゲームの3D空間、街中を流れる音楽や雑踏の雰囲気、音の移動感までしっかりと空間を作って広がるのは絶妙だ。また、「SXFI AMP」「Creative SXFI AIR C」の順に試聴してみて気づいたが、「Creative SXFI AIR C」のほうが台詞にエコーが乗る弱点が出にくいようだ。これは、ヘッドホンの形状も含めてパーソナライゼーションを行うSuper X-Fi 技術が最初からヘッドホンと一体化している「Creative SXFI AIR 」のほうが効果的に働くのだろう。

「Creative SXFI AIR C」もPS4、 Nintendo Switchへの接続が可能だ。PS4のホーム画面の状態で「Creative SXFI AIR C」を接続するとUSBヘッドセットとして認識してセットアップ完了。『Devil May Cry 5 Demo』(体験版)をプレイしても、「Creative SXFI AIR C」は効果抜群。低音の量感をしっかり出し迫力を出す音楽、効果音だけでなく音楽までも空間を作って立体的なサラウンド空間を生み出す。カメラにしっかり追従して動く音の移動感は、やはりSuper X-Fi 技術の効果を実感する。ボイスのエコーもほとんど気にならないレベルなので、PS4のゲームプレイの没入感アップに最適だ。

PS4ともUSBケーブル直結で認識

PS4ともUSBケーブル直結で認識

「Creative SXFI AIR C」のSuper X-Fi技術のサラウンドは「SXFI AMP」以上だ

「Creative SXFI AIR C」のSuper X-Fi技術のサラウンドは「SXFI AMP」以上だ

まとめ

クリエイティブから登場したSuper X-Fi 技術搭載のヘッドホンアンプ「SXFI AMP」、USB接続用のヘッドホン「Creative SXFI AIR C」をそれぞれ体験してみたが、やはりパーソナライゼーションが行われたバーチャルラウンドの体験は素晴らしい。ゲーミング向けのサラウンド体験としてスピーカーでは追いつけない領域だ。特にPCやPS4ゲーマーでステレオスピーカーやテレビスピーカーでプレイしている人は、手頃に購入でき、効果も絶大なので、導入を検討してみる価値は大いにあるだろう。

「SXFI AMP」、「Creative SXFI AIR C」という2製品については、こだわり派としてヘッドホン・イヤホンまで自由に組み合わせられる「SXFI AMP」に流れてしまいそうだが、得られるサラウンド体験に対するコスパとしては「Creative SXFI AIR C」のほうがお得だ。直販価格13,800円(税別)で、十分なクオリティのヘッドホンも手に入り、Super X-Fi 技術としての完成度も高い。

「SXFI AMP」は直販価格16,800円(税抜き)と元の価格は高いが、お気に入りのヘッドホン・イヤホンを使いたい人向けの選択肢。あとはAndroidスマホと組み合わせられる、むしろヘッドホンアンプとしても活用したいというマルチな用途に向いたモデルといえそうだ。

折原一也
Writer
折原一也
オーディオ&ビジュアルライター/AV評論家。「オリチャンネル」主催。IT系出版の編集者出身で、2004年に独立後はモノ雑誌やオーディオ・ビジュアル専門誌で活動。2009年より音元出版主催のVGP審査員。画質・音質にこだわるAV評論家ではあるが、ライフスタイルになじむ製品、コスパにすぐれた製品を評価する庶民派。2022年に立ち上げたYouTubeチャンネル「オリチャンネル」では、取材メディアの人間として一次情報の発信、検証と測定データに基づくレビューなど独自の発信も行っている。最近のマイブームはAI全般。
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遠山俊介(編集部)
Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
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