小寺信良のGadget 2 Go!
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なんでも来いのDAコンバーター、TEAC「UD-301」

オーディオの世界では、昨年あたりからハイレゾが大きくフィーチャーされるようになってきた。その流れで、オーディオソースはもはやCDやSACDのようなメディアだけでなく、パソコンやスマートフォンといったネットワーク機器もあり得るようになってきた。特に今年は、音楽系のストリーミングサービスの当たり年で、LINE Music、AWA、Apple Music、Google Play Musicなどが次々とサービスを開始、ハイレゾに関心がない人でも、音楽ソースの多様化には巻き込まれているというのが現状だ。

アンプからスピーカーまではそれほど変化はないにしても、オーディオの入り口を面倒見てくれるプリアンプ的なものが必要になったわけだ。そのポジションにすっぽりはまるのが、DAコンバーターなんじゃないかと思う。

TEACといえばハイエンドオーディオには欠かせない、日本の老舗メーカーだが、昨今はホームオーディオにも力を入れており、ハイレゾ対応で小型のコンバーターを多数輩出している。今回はその中でも、ハーフラックでシリーズを展開している、ReferenceシリーズのUD-301を購入してみた。発売は2014年3月とちょっと古いが、価格的にもこなれており、いまだ人気の高い商品である。

いまだ人気の高いDAC、UD-301

いまだ人気の高いDAC、UD-301

ポイントは、左右の回路が独立した「デュアルモノーラル構成」になっているところだ。DAコンバーター部分から左右独立させており、ステレオセパレーションに大きく貢献する。

入力としては、USB/コアキシャル/オプチカルの3入力切替だ。対応サンプリング周波数は最高192kHz、ビット数は32bitまでとなっているので、当面はこのまま楽しめるはずだ。

また小型製品としては珍しく、DSD 5.6MHzを直接サポートする。多くのコンバーター製品はDSDに対応しておらず、プレイヤー側でリニアPCM変換が必要だ。DSDの音楽ファイル自体はそれほど多く流通していないが、リニアPCMをDSDにコンバートするだけで音質が変わるとして、自分でDSDファイルを作って楽しむ人もいる。

実際にどれぐらい違うのかは、UD-301のようなDSD対応コンバーターがなければ確認できないわけだが、その点では手軽にテストできる機材でもある。ただしDSD対応はUSB入力のみなので、SACDプレーヤーからのDSD出力には対応していないのが奇妙なところである。

出力としては、RCAのほかXLRもある。もちろん両方同時に出力している。背面にはレベルコントロール用のスライドスイッチがあり、前面のボリュームと連動して出力を変えるか、固定出力にするかが選択できる。OFFはライン出力をカットする。用途がよくわからないが、ヘッドホンアンプとしてのみ利用する際に使用するのだろう。

入力3系統、出力2系統を装備

入力3系統、出力2系統を装備

デジタル伝送時代のハブ

実際に筆者宅では、Macでの音楽再生を行うためにUSB接続し、大半はこれで使用している。本機にはアップコンバート機能も搭載されており、96kHzのハイレゾソースも192kHzにアップコンバートできるが、Macの場合はデフォルトで相手機材の最大転送レートに合わせるようだ。変更したければ、アプリケーション-ユーティリティの中にある「Audio MIDI設定」で変更できる。

オプチカル入力にはテレビ音声を接続、コアキシャル入力にはBlu-Lay/SACDプレイヤーを接続している。デジタル結線は、周波数いくつで動いているのかよくわからないことが多いが、UD-301は入力信号のサンプリング周波数をLEDで表示するので、わかりやすい。リンクできていない場合は点滅して知らせてくれる。

出力は真空管アンプに接続し、メインは10cmフルレンジスピーカーだが、もう一つの出力をサブウーファに接続し、低音を補強している。サブウーハーは先月ご紹介した「SA-CS9」だ。

これまで自分の部屋にはオーディオソースが色々あり、DAコンバーターやアンプ、スピーカーを全部別々に用意していたのだが、とりあえずよく聞くものは全部UD-301に突っ込むことができたので、1台のオーディオセットで済むようになった。大量に機材が余ることにはなったのだが、システムがシンプルにまとまったので、見た目もスッキリした。

難点といえば、電源を切る際に盛大なポップノイズを発することだろうか。電源を切る順番としては、まずパワーアンプを切ってからUD-301の電源を切るようにしたい。

発売当初は5万円以上した機器だが、今は値段もこなれて実売3万円強なので、ハイレゾもにらみつつデジタルソースはまとめたいという用途には手ごろである。アンプもいっしょにまとめたい場合は、コンバーターとメインアンプを一体化した「AI-301DA-SP」という製品もある。UD-301とフロントパネルがほぼいっしょなので、間違って買わないよう、注意していただきたい。

小寺信良

小寺信良

AV機器評論家/コラムニスト。デジタル機器、放送、ITなどのメディアを独自の視点で分析するコラムで人気。メルマガ「小寺・西田の金曜ランチビュッフェ」も配信中。

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