子供の頃、「日光写真」ってやりましたよね? 雑誌の付録なんかについてきたアレです。
こんなヤツ
考えてみれば、ただ単にフィルムの絵柄が転写されるだけなので、何が楽しかったのか謎ですけど、ワクワクしながら絵柄が浮き出てくるのを待っていた記憶があります。
あの懐かしの「日光写真」に、もうちょいハイレベルで、大人でも楽しめるものがあるそうなので、今回はそちらを紹介しましょう。
ビックリするほど地味なビジュアルですが、日光で感光しないようにアルミの袋に入っているんです
中身はこんな感じ。「ポストイット」じゃないよ!
コレは「コピーアートペーパー」という感光紙。日光に含まれる紫外線に反応する薬品が塗られているので、日光写真のような使い方もできるんです。
この紙の上に物を乗せて日光に当ててみましょう
しばらく放置した後、アイロンを当てると…
ほーら、影になっていた部分が青く浮き上がってきました
日光に当てた後、熱を加えると、紫外線の当たった部分は白く、影になっていた部分は青くなる性質を持った紙なんですね。
引き続き、いろんな物を写してみましょう!
たとえば、こんな感じで切り抜いた紙を
コピーアートペーパーの上に乗せておけば…
ほい、絵柄が浮き出てきました。何か、妙な味わいがありますね
わざわざ紙を切り抜かなくても、透明なクリアファイルなどに黒いマジックで絵を描いて、その下にコピーアートペーパーをはさんでおくのでもオッケーです。
何だろう、このノスタルジーを喚起される画質は…
ただ絵柄が転写されるだけではなく、やたらと味わい深い風合いに…。懐かしの日光写真気分とも相まって、夢中になっちゃいますが、ここまでなら昔の雑誌の付録レベルです。
「箱カメラ」というものを使って、さらにハイレベルな日光写真を撮ってみましょう!
こちらが「箱カメラ組立キット」
元々は、理科の授業などでカメラの仕組みを学ぶための「箱カメラ組立キット」です。単純な仕組みなので、牛乳箱と虫眼鏡などで自作することもできるみたいですが、必要な材料が全部入っているキットを使うと楽ちん!
先ほどの「コピーアートペーパー」も付属しています。
組み立てると、こんな2つの箱ができました。まあ、ただの厚紙でできた箱ですね
レンズがついた箱と、トレーシングペーパーののぞき穴がついた箱というシンプルな構成
ざっくりと、こんな仕組みで写真を撮れるわけですが…
細かい理屈はわからなくても、やってみりゃあだいたいわかるってもの。さっそく撮影してみましょう。
こうやって箱をのぞきこんでみると…
おおーっ、見える見える
この状態でピントを合わせ、感光紙が光に当たる状態にしてしばらく放置!
天気にもよりますが、夏場だと30〜45分、冬場なら45〜75分くらい光に当てる必要があります。
この日は、かなり曇っていたので長めに放置。
写ってる写ってる!
よく言えば味わい深い。悪く言えば薄らボンヤリとした、アナログ感全開な写真が完成しました。
ちょっと前に、画質が悪いけど味のある写真が撮れるトイカメラが流行ってたけど、それよりもはるかに味がある! そして画質が悪い!
でも、こんな単純な構造の紙製の箱を使って、紙に風景を写し込めるなんて、メチャクチャ楽しい!
その後も、何枚か撮ってみたんですが…。
比較的キレイに写ったり
なーんにも写らなかったり…
放置する時間が長すぎたり短すぎたりすると、ちゃんと写らないという、なかなかに難易度の高いカメラです。
40分以上じーっと待った挙げ句、何にも写ってないと涙が出てくるし、逆にキレイに写っていたら感激もひとしお…。
せっかくなので、この画質で自撮り写真も撮りたいなと思ったのですが…。
…これがメチャクチャつらかった!
40分、じーっとしているだけでもツラいのに、昼間の公園でやっちゃったもんで、虫に刺されるわ、子供から声をかけられるわ…。
本当に、永遠のように思える40分間を過ごした結果、写っていた写真はこちら!
…
もう、これを見たときはホントにヒザから崩れ落ちましたよ。あの苦労は何だったんだと!
こんな日光写真。どう考えても普段使いするカメラにはなりませんが、子供と一緒にやる自由研究などとしてはおもしろい題材なんじゃないでしょうか。童心に返って楽しめました!
そして、普段何げなく使っているデジカメのありがたさを改めて感じることができます。技術の進化、ありがとう!