見たい番組があるときに限って、テレビのリモコンが見つからないこと、ありますよね?
最近のテレビは、すぐ押せるような場所に電源ボタンやチャンネルのボタンがないことが多く、リモコンなしだと電源を入れることすらひと苦労なので、すっごくストレスがたまります。
そんなとき、この魔法の杖(つえ)があれば大丈夫!
スワッ!
テレビ、ついたー!
シュッ!
チャンネル、変わったー!
……とまあ、何をやっているのやらまったく意味がわからないと思いますが、今回紹介するのはこちらです。
「KYMERA(カイミラ) 〜世界初の魔法の杖〜」
パッと見、単なるコスプレ用の魔法の杖か何かにしか見えませんが、実はコレ、学習リモコンなんですよ。
先端に赤外線の送受信機が付いてるでしょ
普通の学習リモコンには、たくさんボタンが付いていて、そのボタン1つひとつにいろんなリモコンの機能を登録できますが、この魔法の杖にボタンは一切ナシ。
お尻についているコレもボタンかと思いきや、ただの飾りでした。コレを外すと電池(単4形乾電池2本)が入れられるようになってます
ボタンなしでどうやってリモコンとして機能するのか? それは……。
杖の振り方によって、いろんなリモコン信号を発信することができるんです!
最初の例だと、4の「下に振る」にテレビの電源ボタンを、5の「左に振る」、6の「右に振る」にチャンネルを進めたり戻したりするボタンの登録をしています。
ちなみに「時計回り」「反時計回り」は音量調節にしてみました
リモコンが見当たらなくても、この杖をシャッと振るだけでテレビを操作できるということ。
もちろんテレビだけじゃなく、赤外線リモコンを使うものなら、エアコンでも照明でも杖で操作できちゃうんです。
杖を振り上げるだけで照明をつけて、天地創造ごっこをすることも可能です
ボタンは付いていないけど、13種類の機能を登録できる学習リモコンと性能的には同じ(?)。色物グッズではなく、ちゃんと実用的に使えそうです。
杖を13通りに振り分けるというのが、そもそも難しくって、なかなか思ったとおりに動いてくれないんですよね。
杖の先から赤外線が発射されるので、杖を振り終わったときに、先端が目的とする家電の赤外線受信機のほうを向いていなくちゃならないんですが……。
慣れていないと、テレビをつけるだけでも5〜6回振らなきゃならない!
さらに、チャンネルを3つ進めたいときには、杖を右に振って〜戻して…というのを3回繰り返さなきゃならないわけですが(「右に振る」に機能を登録している場合)、この「戻して」を「左に振る」だと誤認識されて、4チャンと5チャンをいったりきたりしちゃうことも。
また、学習リモコンなので、当然リモコンの信号を登録しなければ何の役にも立たないんですが、この「信号を登録する」という作業も、ボタンが一切付いていないせいで、すっごく難しいんですよ。
たとえば「下に振る」というジェスチャーに「テレビの電源ボタン」の機能を登録したい場合は……。
まず、杖を垂直に立てた状態で、杖をトントンと2回たたきます
こうすることで、リモコンの機能を登録する「学びモード」に入ります。
それから、登録したいジェスチャーのとおりに実際に杖を振ります。
「下に振る」のジェスチャー
すると、そのジェスチャーに割り当てられている番号の回数分、杖がブルブル震えます。この場合は4の「下に振る」なので4回!
ただ、4回くらいなら数えられますけど、13回とか震えられても……。13回なんだか12回なんだかよくわからないよ!
続いて、リモコンの信号を登録
杖の先端にリモコンを向けて、登録したいボタン(この場合は「電源ボタン」)を押すと、杖がブルッと強く震えて、信号が登録されたことがわかります。
最後に、逆さまにして軽くたたくと「学びモード」が解除されます
13種類の機能を登録しようとしたら、13回もコレを繰り返さなきゃならないわけで……面倒くさい!
せめて、信号を登録するためのボタンと液晶くらい付いていてもいいのに……とは思いますが、そこは「魔法の杖」としての美学ってものがあるんでしょう。
このように非常にクセが強く、学習リモコンとしては最悪レベルの使いづらさ。実用性を考えたら、明らかに普通の学習リモコンのほうがいいんですが、杖をスワッと振るだけで家電を操作できる楽しさは代えがたいものがあります。動画を見てもらえればきっと楽しさがわかるはず!
友達が遊びにきたときに、杖でテレビを操作して驚かせちゃいましょう!
ひとり暮らしでコレをやってると、なかなかツライ気持ちになりますが……
藤子・F・不二雄先生に憧れすぎているライター&イラストレーター。「デイリーポータルZ」「サイゾー」「エキサイトレビュー」他で連載中。