レビュー

「かまぼこ型のまな板」がジワジワ人気! 使ってみたら確かに便利だった

皆さん、近年、まな板の世界に静かな新風が吹いているのをご存じですか?

一般的にまな板と言えば「四角い長方形の板」ですが、最近はかまぼこ型や半円型と呼べる形の製品がジワジワ人気を集めているんです。

実際、価格.comの「まな板・カッティングボード」カテゴリーを見ても、売れ筋ランキングの上位をかまぼこ型が獲得しています。みんな気づいているんですね! 新世代まな板のトレンドに。

2024年4月2日時点の価格.com「まな板・カッティングボード 人気商品ランキング」。トップ10のうち半分以上がかまぼこ型です

2024年4月2日時点の価格.com「まな板・カッティングボード 人気商品ランキング」。トップ10のうち半分以上がかまぼこ型です

というわけで今回は、実際に自宅でかまぼこ型まな板を使っている筆者が、リアルな使い勝手についてまとめていきましょう。ちなみに先に結論を言っちゃうと、「かまぼこ型まな板、マジ便利」です。何なら「今後、まな板のスタンダードはかまぼこ型になるんじゃないの?」とすら思っていますよ、私は。

筆者が自宅で使っているアイメディアの「丸いまな板」

筆者が自宅で使っているアイメディアの「丸いまな板」

2,000〜3,000円で買える、耐熱エラストマー性のかまぼこ型

静かなトレンドを巻き起こしているだけあり、ネットで軽く検索すると、さまざまなメーカーがかまぼこ型のまな板を販売しているのがわかります。ほとんどの製品が直径約30〜35cmの半円形サイズで、厚さは数mmと薄型。販売価格は製品によって多少幅があるものの、大半が2,000〜3,000円前後で買えます。

我が家では、アイメディアから販売されている約30×26cmサイズ(小)、重量334gのブラックカラーモデルを使っています。筆者が購入したときは1,955円(税込)でした

我が家では、アイメディアから販売されている約30×26cmサイズ(小)、重量334gのブラックカラーモデルを使っています。筆者が購入したときは1,955円(税込)でした

約4mm厚の薄さでほどよい弾力性があり、取り回しやすいです

約4mm厚の薄さでほどよい弾力性があり、取り回しやすいです

そして、本体の材質も魅力のひとつ。かまぼこ型まな板は、耐熱性のエラストマー(PTE)を採用している製品が大多数です。エラストマーはゴムのような弾性を持ち、さまざまなシーンで活用される素材ですが、まな板だと抗菌素材を練り込んで合成されているものが多いようです。ソフトな刃当たりで包丁にもやさしく、まな板自体に傷がつきにくいのも特徴。

そう、まずこの「耐熱エラストマー製の薄型」であることが大きなポイント。一般家庭のそんなに広くないキッチンで、とにかく取り回しがしやすいのです。薄いのでサッと取り出せるし、それでいて本体にはがっしり感もあり、食材のカット中も滑りにくくて安定しています。

加えて、清潔性も高く、ちゃんと耐熱性のものを選べば、高温にも強くて熱湯消毒もできます。筆者が使用しているものは耐熱130度。 漂白剤の使用もOKです。

刃当たりもよく、野菜、肉、チーズなどさまざまな食材が切りやすい! コロコロするミニトマトをカットするときも安定しています

刃当たりもよく、野菜、肉、チーズなどさまざまな食材が切りやすい! コロコロするミニトマトをカットするときも安定しています

我が家では、洗い桶の手前がまな板スペース。約4mm厚の薄いまな板は、洗い桶の段差とキッチンの間にちょうどハマってくれます

我が家では、洗い桶の手前がまな板スペース。約4mm厚の薄いまな板は、洗い桶の段差とキッチンの間にちょうどハマってくれます

省スペース! 丸い部分に切ったものを置ける

さて、ここまではあくまでもエラストマー素材と薄型のメリットに触れてきました。ここからは、まな板が「かまぼこ型であるがゆえのメリット」をあげていきましょう。

まず、省スペースなこと。「まな板でよく使う真ん中らへんだけ」を切り取った形が、かまぼこ型なわけです。省スペースだから、「まな板を置く」というより「食材をカットする空間を作る」という感じの手軽さで使えます。

一般的な木製まな板、プラスチック製まな板と並べてみると、こんなサイズ感。食材カット時に使用する範囲をムダなくかまぼこ型に切り取った感じ

一般的な木製まな板、プラスチック製まな板と並べてみると、こんなサイズ感。食材カット時に使用する範囲をムダなくかまぼこ型に切り取った感じ

そして、食材カット中に、切り終わったものを上部の丸い部分に置いておけるのも便利。かまぼこ型をしているおかげで、「カット後の食材を丸い部分に置いておこう」と自然に思えることがポイントです。そんな風に、便利に使える動作を誘発してくれる形状であることが意外と重要な点かなと、個人的に思っています。

目線の先にちょうど丸い空間があるので、そこに自然と食材を置いておく動作が生まれやすいんです

目線の先にちょうど丸い空間があるので、そこに自然と食材を置いておく動作が生まれやすいんです

まな板って元々、「食材を切る」という目的に対してムダなき四角形状で応えているアイテムでしたから、まさか別の形状に進化するとは思っていませんでした。しかし、ちょっと上部を丸くすることで、切った後の食材置き場になるというのはなかなかのひらめきです。

かまぼこ型だからキッチンのふちに沿うし、立てかけやすい

また、普通の円形ではなく、手前側が水平形状であるがゆえのメリットもあります。

まずは、使用時にキッチンのふちに沿ってセットできること。円形とは違い、手前側にムダなスペースが生まれず非常にスマートです。まな板を使おうと思ったときに、しっくり来る位置にパッとセットできるのは地味にストレスフリー。

完全な円形だと、食材カット時にキッチンの天板に収まりが悪かったでしょうが、かまぼこ型なら手前側が平らなのでとてもスマート

完全な円形だと、食材カット時にキッチンの天板に収まりが悪かったでしょうが、かまぼこ型なら手前側が平らなのでとてもスマート

そしてもうひとつ、キッチンのさまざまな場所に立てかけておきやすいこと。普通の円形だとこうはいきませんよね。お気づきでしょうが、これらの使い勝手は従来の長方形のまな板と同じ。つまり、円形のよさと長方形のよさの両方を兼ね備えているのが、かまぼこ型なのです。

こんな感じで、洗った後に立てかけておきやすい。エラストマー素材なので水切れもよいです

こんな感じで、洗った後に立てかけておきやすい。エラストマー素材なので水切れもよいです

おしゃれなお皿にもなる! まな板ごと食卓へ

そして、今どきっぽい使い方が、まな板でありながらお皿にもなること。食材をカットしたら、まな板ごと食卓に出しちゃえるわけです。

まな板を出すのが面倒で、お皿の上で食材を切っちゃうことってありませんか? 筆者もよくやってしまうのですが、これは包丁の刃に悪いので本当はよくないです。そこで、お皿の上で切るのではなく、食材を切ったまな板をそのままお皿として使えばよいという発想です。

かまぼこ型まな板は、大体どの製品もブラック、アイボリー、グレーなどのカラバリがあって、スタイリッシュ感を醸し出しています。ここに食材をのせて皿にすると、まあ映える。創作料理のお店で出てくるような、フラットなおしゃれ食器みたいです。むしろ、まな板ではなく、「食材をカットできるスタイリッシュ皿」だと思うのもアリかもしれません。

水分の少ないお肉やチーズなどの食材は、カットしてまな板ごと食卓に持っていけます

水分の少ないお肉やチーズなどの食材は、カットしてまな板ごと食卓に持っていけます

なお、木製まな板のように余分な水気を吸収しません。なので、水分の多い野菜や果物はカットすると水気が付着するため、多少拭いてからでないと見栄えがよくないかも

なお、木製まな板のように余分な水気を吸収しません。なので、水分の多い野菜や果物はカットすると水気が付着するため、多少拭いてからでないと見栄えがよくないかも

かまぼこ型まな板のデメリットは?

さて、逆にかまぼこ型であることのデメリットはあるでしょうか? 正直、個人的には形状に関するデメリットはほとんど感じません。慣れないうちは違和感があるくらいでしょうか。

あえてあげるなら、材質に関する部分で、従来の木製まな板に軍配が上がる部分があります。木製ならではの刃当たりとか、食材の余分な水分を吸収してくれるとか、そういったところですね。しかし、エラストマー製が水分を弾くのは手入れのしやすさに直結しますし、カビる心配もほぼないのはむしろメリットです。

同じく水分を弾くプラスチック製まな板と比べると、耐熱エラストマー素材のほうが軽いし刃当たりもよいし清潔性もあるしで、基本メリットしか感じません。

リアルに2か月ほど使った時点での表面はこんな感じ。カビる心配も基本ないので安心して使えてます

リアルに2か月ほど使った時点での表面はこんな感じ。カビる心配も基本ないので安心して使えてます

結論としては、木製まな板とプラスチック製まな板のイイとこ取りをしたのが耐熱エラストマー製のまな板ということ。そのうえで、上述のようなかまぼこ型ゆえのメリットがあるわけです。冒頭でも書きましたが、便利なことこの上ない!

かまぼこ型まな板を買うときはココをチェック

最後に、かまぼこ型まな板を選ぶ場合のポイントについて触れておきましょう。

サイズ感としては小さいもので直径30cm、大きいもので直径35cm程度、重量は製品によって330〜600g程度の幅があるようです。キッチンの調理スペースのサイズはもちろん、取り回しやすさを重視するか、ほどよい重さで安定性を重視するか、使い勝手に求める要素で選ぶとよいと思います。あとはカラーの好みですね。

我が家は、ほとんどが夫婦2人分の調理で使うだけですし、省スペースで取り回しやすいことが最重要でしたので、直径30cm前後、重量334gの小さめモデルを選んでピッタリでした。同系統の製品の中で重量は軽いほうですが、食材カット中も安定していて特に不自由は感じません。

あとは材質に関することで、耐熱性があるかどうか、漂白剤が使えるかどうか、人によっては食洗機で洗えるかどうかもチェックしておくとよいと思います。ちなみに、ネットで見る売れ筋製品のほとんどがそれらの仕様に対応しているようです。

食洗機で洗えるのは地味に便利。少々イレギュラーな形状なので、自宅の食洗機にハマるサイズかどうかも確認すると確実です

食洗機で洗えるのは地味に便利。少々イレギュラーな形状なので、自宅の食洗機にハマるサイズかどうかも確認すると確実です

そのほか、ものによっては本体にマグネットが入っていて、キッチンの壁に貼り付けて収納できる製品なんかもあります。

マグネットで浮かせて収納できる食洗機対応まな板。マグネットでキッチンパネルに貼り付けて収納できるので、水切れがよく、衛生的です。単体でも自立するのもうれしいポイント。高さがあるため、切った野菜をトレーに滑らせて移すのも簡単です

マグネットで浮かせて収納できる食洗機対応まな板。マグネットでキッチンパネルに貼り付けて収納できるので、水切れがよく、衛生的です。単体でも自立するのもうれしいポイント。高さがあるため、切った野菜をトレーに滑らせて移すのも簡単です

こういった進化系の製品が出始めていることを踏まえると、やっぱり今後も、まな板界におけるかまぼこ型の静かなトレンドは続きそうな気がします。次にまな板を新調するタイミングには、ぜひチェックしてみてください。

杉浦みな子
Writer
杉浦みな子
1983年生まれ・たまに絵も描くライター。価格.comマガジン編集部やオーディオ・ビジュアル専門サイトの編集/記者/ライター職を経て、2023年に独立。コンシューマーエレクトロニクスから「ムー」までを網羅し、各種媒体でAV機器・家電のレビューやオカルト映画のコラムを執筆中。読書と音楽&映画鑑賞が好きで、自称:事件ルポ評論家のオタク系ミーハーです。
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牧野裕幸(編集部)
Editor
牧野裕幸(編集部)
アイテム情報誌「GetNavi」や映像エンタメ情報誌「DVD&Blu-rayでーた」(当時)の編集者を経て「価格.comマガジン」へ。スティック&ロボット掃除機、コーヒーメーカー、扇風機、電動歯ブラシ、電気ケトルなどの白物家電のほか、AV機器や加熱式タバコを担当しています。LOVE, LINKIN PARK.
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