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ハイレゾをさらに普及させるか。ソニー・新「ウォークマン」シリーズが人気の船出!

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ハイレゾでデジタル音楽プレーヤーの市場を引っ張る「ウォークマン」

ソニー「ウォークマン NW-ZX300」

ソニー「ウォークマン NW-ZX300」

図1:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

図1:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーのアクセス推移(過去2年)

デジタル音楽プレーヤー(DAP)の市場は、ここ10年ほどで大きく変貌を遂げてきた。10年前はアップルの「iPod」シリーズが全盛だったが、その後「iPhone」シリーズの登場によって、DAPとしての「iPod」人気は徐々に下火になっていく。さらに、スマートフォンの普及とともに、音楽をスマートフォンで聴くというスタイルが一般的になっていくと、DAP自体の市場が徐々に縮小していった。図1は、ここ2年間の「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーのアクセス推移を「価格.comトレンドサーチ」で示したものだが、ここ2年だけを見ても、ほぼ右肩下がりで推移しているのがわかるだろう。

そんなDAPの人気下落傾向にある程度の歯止めをかけてきた要素が「ハイレゾ」である。それまでのDAPは音楽CDの音源を圧縮したMP3などのフォーマット再生がメインであったのに対して、ハイレゾはその逆、つまり、音楽CDレベル以上の高音質を実現した音楽フォーマットとして登場。FLACやWAVなどのフォーマットを中心に、オーディオファンを中心に徐々に受け入れられてきた。

特に、2013年にソニーが初のハイレゾ対応ウォークマンとなる「NW-F880」シリーズおよび「NW-ZX1」を発売したことで、ハイレゾが一気に身近な存在になってきた。ソニーという、名の知られたメーカーが製造していること。しかも価格が一気に10万円を下回り、最上位の「NW-ZX1」でも7万円台で購入できたことが、その理由だ。さらに、その翌年の2014年、ハイレゾに対応したエントリーモデルの「A10」シリーズが登場。こちらは一気に2〜3万円台の低価格でハイレゾの再生環境が手に入れられることになり、これがハイレゾ普及の大きな推進力になった。

図2:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける主要メーカーのアクセス推移(過去2年)

図2:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける主要メーカーのアクセス推移(過去2年)

こうして、ソニーの「ウォークマン」シリーズは、ハイレゾ対応DAPとしての人気を確実なものとしていった。これに対して、かつてDAP市場では不動の1位の座を築いていたアップル「iPod」はその存在感を徐々に薄めていき、ついにはソニー「ウォークマン」シリーズに首位の座を明け渡すこととなった。図2は「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける、主要メーカーの過去2年間のアクセス推移を「価格.comトレンドサーチ」で示したもの。これを見ると、2年前はまだ首位のソニーとつばぜり合いをしていた2位のアップルのアクセス数が1年ほど前から大幅に下落し、逆にソニーは、2位以下を大きく引き離す不動の首位の座を確実なものとしていることがわかる。

というのも、アップルは「iPod」の最新モデルを2015年を最後に発売しておらず、今年2017年7月には、ついにアップルストアでの「iPod」シリーズの取り扱いを終了しているため。現状、価格.com上で購入できるのも2015年発売の第6世代「iPod touch」が最終モデルとなっており、すでにその寿命も尽きかけているという状況なのだ。これに対して、ハイレゾという強みを身につけた、ソニーの「ウォークマン」シリーズは、低価格で購入できる「Aシリーズ」を中心に人気を得ており、衰退が続くDAP市場の中でハイレゾユーザーの裾野を拡大し続けている。

新型「ウォークマン」は、上級機もエントリー機もかなりの高評価

ソニー「ウォークマン NW-A45」

ソニー「ウォークマン NW-A45」

そんな人気の「ウォークマン」シリーズに、この秋新たな製品が投入された。2017年10月7日に発売された、上級モデルの「NW-ZX300」と、エントリーモデルの「A40」シリーズ4機種である。なお、「A40」シリーズ4機種については、基本性能は同じで、内蔵メモリーの量とイヤホンの付属の有無によってモデルが分かれているので、基本的には同製品として考えていいだろう。

図3:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーのアクセス推移(過去6か月)

図3:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーのアクセス推移(過去6か月)

図3は、過去6か月における「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーのアクセス推移を示したものだが、人気下落が続くDAPカテゴリーの中にあって、この9月以降、アクセスが上昇傾向に転じているのがわかるだろう。これは、10月7日に発売された新「ウォークマン」の人気によるものだ。

図4:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去3か月)

図4:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける人気5製品のアクセス推移(過去3か月)

図4は、過去3か月における「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリー・売れ筋人気5製品のアクセス推移を示したもの。新型「ウォークマン」の発売日である10月7日にかけて、「NW-ZX300」と「NW-A45」の2モデルが注目度を上げているのがわかるだろう。特に、上級モデルの「NW-ZX300」の注目度は高く、これ1機種だけで、同カテゴリーのアクセス数を大きく左右しているほどだ。

図5:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける人気5製品の最安価格推移(過去3か月)

図5:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける人気5製品の最安価格推移(過去3か月)

図5は、過去3か月における上記人気5製品の最安価格推移を示したもの。このうち、第6世代「iPod touch(32GB)」を除いた4製品は、ハイレゾ対応製品となるが、ほとんどの製品がエントリーモデルの2万円前後の価格帯に集中している。最新モデルの「NW-A45」に関しても、その最安価格は21,978円(2017年10月11日時点)となっており、今やハイレゾ対応DAPといえども、かなり安価に購入できることがわかる。これらのエントリーモデルに対し、唯一6万円を超える最安価格を付けているのが「NW-ZX300」だ。DAPとしては高めの価格帯とも思えるが、ハイエンドモデルの中には10万円を超える価格を付けている製品も存在するので、それに比べればかなりお手頃だ。

「NW-ZX300」は、2年前に発売された「NW-ZX100」の後継モデル。4.4mmバランス標準接続に対応したバランス出力や、無酸素銅プレートなどの高音質パーツ、音楽再生に特化したユーザーインターフェイスなど、ハイエンドモデルの「WM1」シリーズ譲りの機能を多く持ち、新たに、単体でUSB DACとしても使えるUSB DAC機能を搭載するなど、機能面でも大きくブラッシュアップされている。エントリーモデルでもFLACをはじめとするハイレゾ音源を再生することは可能だが、本来のハイレゾの音をより深く楽しみたいのであれば、これくらいのレベルのDAPを購入したほうがいいという意見も多く、価格.com上では、むしろエントリーモデルの「NW-A45」よりも人気を得ているのだ。

図6:「デジタルオーディオプレーヤー(DAP) 」カテゴリーにおける人気5製品のユーザー満足度推移(過去3か月)

まだ発売から1週間程度ではあるが、製品への満足度も高い。図6は、上記人気5製品のユーザー満足度推移を示したもの。新型「ウォークマン」2製品の満足度は、「NW-ZX300」が4.83(レビュワー10名)、「NW-A45」が4.84(レビュワー7名)と、かなり高めの評価がつけられている。

特に「NW-ZX300」に関しては、「この価格で小さい筐体に高質感、高音質(バランス)、新機能(DAC)を詰め込んでしまったSONYの技術力は賞賛に値する」「音質、携帯性、価格、機能と最高の製品です!」「今回は「バランス接続WALKMANの集大成」であると同時に、「他メーカーへの脅威」にすらなり得るほどの完成度を誇っている」など、音にうるさいオーディオファンからも、かなりの高評価を得ており、これだけの機能と音質を詰め込んで、6万円台という価格は、むしろ驚くべきコストパフォーマンスと評されている。

いっぽうの「NW-A45」も、「バランス接続に憧れがなければ単体でも高音質。バッテリーは長持ちで携帯製、操作性もよし」「総じてエントリー機としては値段を考えても文句のつけどころがない出来。素晴らしいです」「前回A25の時にも思いましたが、これが2万円前後で買えるというのは本当に素晴らしいことです」など、2万円台で買える手軽な製品なのに、非常に使い勝手がよく、総合的なコストパフォーマンスは相当に高いと評されている。

このように、ユーザーの裾野を広げる「A40」シリーズと、オーディオファンも満足させられる実力を持った「NW-ZX300」の2ラインアップを新たに展開してきたソニー「ウォークマン」は、シリーズとしての総合的なバランスにすぐれており、現状のDAP市場では、向かうところ敵なしという状況だ。DAP市場自体の縮小傾向が、ハイレゾの普及によって底入れするのかどうか、そこが今後の注目ポイントになるだろう。

鎌田 剛(編集部)

鎌田 剛(編集部)

価格.comの編集統括を務める総編集長。パソコン、家電、業界動向など、全般に詳しい。人呼んで「価格.comのご意見番」。自称「イタリア人」。

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2017.12.16 更新
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