レビュー

お餅って意外と簡単に作れる! “蒸す・つく”が25分でできる餅つき機「つき姫」

お正月と言えばお餅ですよね。筆者の地元である岩手県一関市は、お正月だけでなく、冠婚葬祭や季節の行事にもお餅をいただく、お餅大好きな地域です。食べ方もいろいろあって、定番のお雑煮やあんこはもちろん、くるみやずんだ、ごま、しょうが、納豆、さくらえびなどさまざま。お餅の中に小さな枝(藁)が入っていると当たりで。その年はいいことがあるという果報もち(だんご)というエンタメ的なお餅もあります。お餅は一関のソウルフードと言っていいでしょう。

そんな私も田舎を離れてうん十年。毎年お正月には実家の母がお餅を送ってくれるのですが、餅作りも大変なので、そろそろ自分でもお餅を作りたいと思い、餅つき機を物色していました。そこで見つけたのが、岡山県のみのる産業が作っている「つき姫」です。どんな餅つき機なのか詳しくレビューしていきましょう。

みのる産業の餅つき機「つき姫」

みのる産業の餅つき機「つき姫」

マイナーすぎる餅つき機

友人や会社の人と話していると、餅つき機を知らない人もちらほらいるほど、餅つき機は正直言ってマイナーな家電です。お餅は食べるけれど、個包装された切り餅しか食べたことがないという人もちらほら。

価格.comの「餅つき機」カテゴリーには36製品(2024年12月27日時点)しか登録されておらず、ほとんどはお餅も作れるホームベーカリーです。なんてマイナーなんだ、餅つき機!

価格.comの「餅つき機」カテゴリー。ほとんどはホームベーカリーという状況です

価格.comの「餅つき機」カテゴリー。ほとんどはホームベーカリーという状況です

そこで見つけたのが、みのる産業の「つき姫」。今年2024年11月25日に発売された最新モデルです(正確には新色モデルですが)! コンパクトな3合サイズで、蒸す・つくの工程がたったの25分でできるという、すぐれもの。

「つき姫」とは?

「つき姫」は、「1升サイズでは大きすぎる」という声を受けて、2015年に発売された3合サイズのコンパクトな餅つき機。昔は大家族でお餅をたくさんついて、お正月に食べるという習慣がありましたが、親戚で集まることが減り、家族の人数も減った現在にはそぐわなくなってきたこともあり、小さな餅つき機を開発したとのこと。小型化には苦労されたようですが、改良を繰り返し発売から累計29,400台を販売。知る人ぞ知る餅つき機と言えるでしょう。

今年11月に発売された最新モデルは新色のリッチブラック(500台限定)とリッチホワイトの2色。既存カラーのアイボリーホワイトとピンクも併売されており、全4色から選べます。

まずは本体を見ていきましょう。餅つき機というと、1升や2升用の大型のイメージがありますが、3合サイズの「つき姫」は210(幅)×220(奥行)×300(高さ)mmとコンパクトです。2Lのペットボトル1.5本分といったサイズ感。重量は4.3kgで、見た目より重い印象ですが、ハンドルがあって持ち運びはしやすかったです。

2Lのペットボトルと並べると、「つき姫」がコンパクトなことがわかります。使わないときでも場所をとらずに収納できるでしょう。本体前面に「むす」と「つく」の2つのボタンがあります

2Lのペットボトルと並べると、「つき姫」がコンパクトなことがわかります。使わないときでも場所をとらずに収納できるでしょう。本体前面に「むす」と「つく」の2つのボタンがあります

背面からケーブルが伸びています(取り外しは不可)。くびれた形状が特徴的

背面からケーブルが伸びています(取り外しは不可)。くびれた形状が特徴的

付属品は蒸し容器、もちとり器、のし板、ポリ手袋(2枚)、取扱説明書、おもちレシピ集とシンプルです。

本体と付属品一式。手前の黒い円錐状のものは「ハネ」と呼ばれるパーツで、回転して餅をつくものです

本体と付属品一式。手前の黒い円錐状のものは「ハネ」と呼ばれるパーツで、回転して餅をつくものです

価格はカラーによって異なります。今回試したリッチホワイト(HS-037A)が25,630円(税込)、リッチブラック(HS-037B)が26,500円(税込)、アイボリーホワイト(HS-037A)とピンク(HS-037P)が24,900円(税込)。なお、アイボリーホワイトは在庫切れのショップが多いようです。

準備には時間がかかるが、蒸す・つくは約25分のはやわざ

「つき姫」を使った餅作りはシンプルです。

まず3合の餅米を洗って6時間以上水に浸します。浸し終わったら、ザルや水切りネットを使って約10分間水切りをして餅米の準備は完了。続いて本体のボイラーに150mLの水を入れ、前述の「ハネ」を取り付けて、準備した餅米を投入して平らにならします。

今回は餅米の最高品種ヒメノモチ100%の「ひめのもち」を使いました。餅米を洗って6時間以上水に浸します

今回は餅米の最高品種ヒメノモチ100%の「ひめのもち」を使いました。餅米を洗って6時間以上水に浸します

本体から「ホッパー」というパーツを取り外してボイラーに水を入れます。この「ホッパー」は、“せいろ”と“うす”の役割を果たすパーツです

本体から「ホッパー」というパーツを取り外してボイラーに水を入れます。この「ホッパー」は、“せいろ”と“うす”の役割を果たすパーツです

ボイラーに150mLの水を入れて、「ホッパー」を取り付けます

ボイラーに150mLの水を入れて、「ホッパー」を取り付けます

「ハネ」は回転して、おもちをつくパーツ。モーター軸に合わせて奥まで差し込みます

「ハネ」は回転して、おもちをつくパーツ。モーター軸に合わせて奥まで差し込みます

餅米を入れて平らにならします

餅米を入れて平らにならします

ふたをして準備完了。蒸し工程はふたをしますが、やけどには注意しましょう。つき工程ではふたを外します

ふたをして準備完了。蒸し工程はふたをしますが、やけどには注意しましょう。つき工程ではふたを外します

あとは「つき姫」におまかせです。ふたをして「むすスイッチ」を押します。蒸し工程が約15分で終わると、ビービービーとかなり大きめの音が鳴るので、「むすスイッチ」を押して音を止めます。蒸しあがったら、ふたを外して、「つくスイッチ」を押します。つき時間はたったの10分。つき工程は下の動画をぜひチェックしてみてください。

ついたお餅をトレイやのし板に移すのが意外に面倒なのですが、「つき姫」にお餅を簡単に取り出せるもちとり器がついています。使い方は下の動画を確認してみてください。

もちとり器からのし板にうつします。この間、お餅を手で触る必要がないので、指が餅でベタつきません。よく考えられています

もちとり器からのし板にうつします。この間、お餅を手で触る必要がないので、指が餅でベタつきません。よく考えられています

お餅の完成! 餅粉を手につけてお好みの大きさにして、いただきましょう。お餅が熱いうちに小分けにする場合は、やけどに注意。ちなみに、実家では固くなってから、包丁で切り分けていました

お餅の完成! 餅粉を手につけてお好みの大きさにして、いただきましょう。お餅が熱いうちに小分けにする場合は、やけどに注意。ちなみに、実家では固くなってから、包丁で切り分けていました

びよ〜んと、どこまでも伸びるお餅

びよ〜んと、どこまでも伸びるお餅

餅つき機は洗うのが面倒と思っていましたが、「つき姫」の場合は、「ホッパー」の底に少しお餅が付く程度で、水洗いですぐに落ちました。「ボイラー」と「モーター軸」は水洗い禁止で、固く絞った布巾などで汚れを拭き取ります

餅つき機は洗うのが面倒と思っていましたが、「つき姫」の場合は、「ホッパー」の底に少しお餅が付く程度で、水洗いですぐに落ちました。「ボイラー」と「モーター軸」は水洗い禁止で、固く絞った布巾などで汚れを拭き取ります

餅米を6時間以上水に浸して、10分間水を切る作業は面倒ですが、お餅を食べる前日夜に水に浸しておくといいと思います。6時間も浸さなくてもいいのではと思い、約3時間水に浸して試してみましたが、完全なお餅にならず、おこわと餅の半々のものができてしまいました。これもすごく美味しかったのですが、説明書どおり6時間以上は水に浸したほうがいいでしょう。

つきたてのお餅は絶品! 蒸し料理やおこわも楽しめる

できたてのお餅の味は絶品でした。やわらかく、もちもちしていて、何よりお餅の香りが懐かしさを感じます。3合という量も絶妙で、3人家族の我が家なら一日でペロリと食べられました。

なお、お餅はのどに詰まる可能があるので、小さくして食べたり、食べる前に水分を取ったりするようにしましょう。特に高齢の方が食べるときは、周囲の人が見守るようにしてください。

あんこもち。餅粉をつけていないので、つるっとしたのどこしがたまりません

あんこもち。餅粉をつけていないので、つるっとしたのどこしがたまりません

きなこと砂糖を混ぜたきなこ餅。お醤油をかけてもいいみたいです

きなこと砂糖を混ぜたきなこ餅。お醤油をかけてもいいみたいです

磯辺餅。お皿の上に海苔を置いて、その上にお餅を載せれば、お皿にお餅がつかずにすみます

磯辺餅。お皿の上に海苔を置いて、その上にお餅を載せれば、お皿にお餅がつかずにすみます

ラップに包んで冷蔵庫で保存していたお餅をトーストで温めて、参鶏湯に投入。周りがパリパリのお餅もおいしいです

ラップに包んで冷蔵庫で保存していたお餅をトーストで温めて、参鶏湯に投入。周りがパリパリのお餅もおいしいです

「つき姫」は餅つき機ですが、野菜や豚まんを蒸すこともできます。それに餅米を蒸して作るおこわも調理可能。野菜などを蒸す場合はハネを付けませんが、おこわを作る場合はハネを付けます。細かい違いがあるので、取扱説明書を見ながら作業しましょう。

付属の蒸し容器を使えば、野菜や豚まんを蒸せます。大きい食材や固い食材は厚さ約1cmに切って入れましょう。蒸気が通るように、入れすぎは禁物

付属の蒸し容器を使えば、野菜や豚まんを蒸せます。大きい食材や固い食材は厚さ約1cmに切って入れましょう。蒸気が通るように、入れすぎは禁物

おこわも調理可能。餅米を蒸したあとに、取り出してから具材や調味料を加えます

おこわも調理可能。餅米を蒸したあとに、取り出してから具材や調味料を加えます

【まとめ】「つき姫」を使えば、思った以上にお餅は簡単に作れる

以上、「つき姫」を使ってお餅を作って、おいしくいただきました。作る前は、お餅って作るのが面倒そうと思っていましたが、「つき姫」を使えば簡単にしかも短時間でおいしいお餅ができるのに驚きました。餅米を6時間以上水に浸すという準備にこそ時間はかかりますが、それが終われば1時間もかからずにお餅ができあがります。

お正月にはやっぱりお餅が食べたいという人は、「つき姫」をぜひチェックしてみてください。筆者も田舎の母にプレゼントしたいと思いました。

三浦善弘(編集部)
Writer / Editor
三浦善弘(編集部)
出版社で月刊誌やWebメディアの編集・記者を経験し、2013年にカカクコム入社。「価格.comマガジン」にて、PCやスマートフォン分野を担当。取材歴は20年以上。現在は「価格.comマガジン」全体を統括する。
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