「お醤油は何色?」と聞かれたら、小学生だってこう答えます。「黒に決まっているじゃん」と。間違っても「ピンク色」とは答えません。ちょっと気になって、醤油の色について調べてみました。参考にしたのは「キッコーマン」のホームページです。それによると、開封したばかりの新鮮な醤油は、透明感のある「醤油レッド」色なんだそう。「レッド」ではあっても決して「ピンク」ではありません。醤油の発酵熟成中、もしくは火入れの段階で原料のアミノ酸と糖が化学反応を起こして、メラノイジンという褐色の色素を生成するため赤っぽくなるのだそうです。
醤油=黒のイメージがあるのは、開封後、空気中の酸素にふれて酸化褐変反応を起こすことが原因とか。また、醤油には「むらさき」という粋な呼び名もありますが、しつこいようですが「ピンク」ではありません。うんちくが長くなってしまいましたが、何が言いたいかというとそれくらいピンク色の醤油が画期的ということです。日本の伝統的調味料をピンク色にしたのは、鳥取県にある「ブリリアントアソシエイツ」という会社。同社は、以前いいモノ調査隊でもご紹介されていた「華貴婦人のピンク華麗(カレー)」を2014年に販売。そしてその第2弾となるのが、今回ご紹介する「ピンク醤油華貴婦人」です。
一見してこれが醤油と思う人は、まずいません。ピンク色の乳液か、濃厚なピーチドリンクのような印象です。小皿にとってみると、一般的な醤油よりもややとろみがあります。いずれにしても醤油という見た目では、まったくありません。
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しかし、香りは…醤油…です。問題の味のほうはというと、醤油…いや、醤油よりもおいしい。鰹節や昆布のうま味があります。だし醤油として煮物などの味付けに使えて、一般的な醤油よりも用途が広いように思います。
さて次なる疑問は、このピンク色は何? ということです。「華貴婦人のピンク華麗(カレー)」同様、このピンク色は原料である「ビーツ」の色とのこと。ビーツとは、ロシアの伝統料理「ボルシチ」に欠かせない赤カブ。カブと名乗ってはいますが、ほうれん草の仲間だそうです。特徴はなんといっても、その赤い色。ピンク醤油「華貴婦人」はビーツを加えることで、ピンク色を出しているのです。つまり、野菜の持つ自然の色素というわけです。鳥取産のビーツを使用している点も、消費者としてはうれしいですね。
それだけではありません。ビーツは鉄分やカルシウムを多く含み、「食べる血液」ともいわれるほど。免疫力アップ、便秘解消、貧血予防などの効果が期待されています。さて、味はおいしい、体にもよさそうだとわかればピンク醤油「華貴婦人」を使わない手はありません。食卓にこの容器を置いておくだけでもパッと華やぎます。醤油=黒という固定観念を捨てれば、冷や奴にも映えそう。
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スイーツみたいに見えますが、冷や奴です。甘みのあるだし醤油が淡白なお豆腐にマッチします! |
カルパッチョにもオススメ。
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アップで見ても、カルパッチョに見えないところがビックリ! |
鯛のお造りだって何だかキュート。
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くどいようですが、これ、鯛のお造りに醤油をつけたところです。コクのある味わいで刺身醤油と似た風味。だから、お刺身にはピッタリ! |
卵かけごはんにかけると、ピンクと黄身の色が美しい。ぜひ、ご自身でいろいろ試してみてください。
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ラベルを全部はがすと、さらに何だかわからない状態になり、人をびっくりさせることができますよ |
ちなみに、見た目のキュートさとは裏腹に味はしっかりだし醤油なので、つけすぎ、かけすぎにはご注意を!