近年、二郎インスパイア系ラーメンの市場が、ラーメン以外にもどんどん広がっています。たとえば、以前紹介した「にんにく背脂醤油豚骨風味のプロテイン」だったり、東京駅のお土産店が「豚脂醤油ラーメンスナック」を発売したり。
東京駅のお土産店「RAMEN CLUB」の、二郎インスパイア系ラーメンを追求した「豚脂醤油ラーメンスナック」
そんななか、ダイショーが発売したのが、「もやし・カット野菜が旨い! ラーメンの上だけ!!!」。公式サイトによると、「野菜を背徳ラーメンのスープに絡めて食べたときの味わいをイメージして作ったオリジナル調味料」とのことで、電子レンジで加熱した野菜にあえるだけで、二郎系の味付けを再現できるのだとか。
「もやし・カット野菜が旨い! ラーメンの上だけ!!!」。希望小売価格は129円(税込)
ダイショーといえば、さまざまな調味料を手掛ける一大メーカーであり、期待も高まります。そこで今回はこの新商品を使い、推奨されている野菜炒めのほかに二郎系ラーメンなどを作り、味わいをレポートします。
「もやし・カット野菜が旨い! ラーメンの上だけ!!!(以下「ラーメンの上だけ」)」は、どんな材料で作られているのでしょうか。パッケージ裏面を確認すると、主原料のひとつが「コーングリッツ」。これはトウモロコシの胚乳(実の部分)を乾燥させて粗く粉砕したもので、コーンフレークやイングリッシュマフィンなどのパン、タコスなどの皮(トルティーヤ)、ビールの醸造などさまざまな用途で使われる穀物です。
「ラーメンの上だけ」は1人前(10gあたり)31kcal、脂質0.6g、糖質5.1g。内容量は20g入りなので、商品自体の各スペックはその2倍ですね
そのほかの素材は、粉末醤油、砂糖、食塩、フライドガーリック、デキストリン(でんぷんの一種)、粉末パーム油、ポーク・チキン風味顆粒、胡椒、乾燥背脂加工品、乾燥ネギなど。中身を小皿に出してみると、きめ細かいパウダーで、小さな乾燥ネギが見え隠れしていました。
中身は、ほんのり茶褐色
基本の使い方は簡単で、野菜とゴマ油を用意して混ぜるだけ。まずはパッケージ裏面に書かれているレシピどおりに作ってみました。なお、「ラーメンの上だけ」1袋に対する野菜の目安は200〜250gで、「※もやしやキャベツがメインのカット野菜がおすすめ!」と書いてあります。
「野菜マシマシ」などのコールでもおなじみの野菜は、モヤシとキャベツ。これ常識
手順としては、まず耐熱皿に野菜を並べてラップをかけレンチン(600W:約3分、500W:約3分30秒)。水気を切り、その野菜とゴマ油をボウルに入れて混ぜ、「ラーメンの上だけ」を加えて再度混ぜたら完成です。
ニオイは、そこまでガツンとはしていません。ニンニクマシしたい人は、好みで加えましょう
盛り付ける際は、山のように積み上げて好みのトッピングを。刻みネギ、コーン、チャーシュー、味玉、ナルト、海苔などがおすすめとのこと。
推奨レシピどおりに盛り付けると、このようなルックスに。まさに“ラーメンの上だけ”ですね
食べてみると、味は思った以上に濃いめです。ニンニク感やアブラのこってり度合いは本家ほど強くないものの、コク深くて厚みのあるパンチは十分。トッピングなしの野菜だけでも、このままご飯が進む満足度だと言えるでしょう。なお、シャキッとした食感が好みの人は、レンチン時間を短めにしてもいいと思います。
時間が経つにつれて浸透圧により水分が出てくるので、一度に食べきるのがおすすめ
本来、二郎系ラーメンに盛り付けられる野菜に味付けはされていません。ただしそこをあえて、「ラーメンの上だけ」で調味した野菜で作ったらどうなるか。こちらも試したいと思います。
「ラーメンの上だけ」のほかに、以前の記事でも紹介した二郎風プロテイン、通称「ザプ郎」と、ワシワシ系の極太麺、ニンニクなどをメインに用意
作り方はもう単純に、スープを作って、ゆでた麺と合わせ、その上に「ラーメンの上だけ」で調味した野菜を乗せれば完成。ゴマ油はなくてもいいでしょう。そして、トッピングに刻みニンニクをしっかりマシにして、ガツンといかせてもらいます。
ちなみにコーントッピングは、筆者のフェイバリット二郎「ラーメン二郎 野猿街道店2」など一部の本家でも採用されています
食べてみると、野菜の存在感がしっかり立った攻めのある濃い味が印象的。スープの濃度にもよると思いますが、かなり一体感があり、麺とのマッチングも実にナイスです。また、皿に盛ると出てくる水分も、麺やご飯の上に盛り付けてしまえば気にならないわけで、ご飯と食べる際に丼にするのはすごくおすすめできます。
野菜もしっかり濃厚な味付けで、贅沢な家二郎ができました
ここまで2品を作って思ったのは、汁なしの二郎系にも「ラーメンの上だけ」が効果的なのではないかということ。この場合はあえて野菜ではなく麺と「ラーメンの上だけ」を混ぜ、その上から一般的な二郎系よろしく、味付けなしの野菜などを盛り付けていきます。
湯切り時の湯量は特に意識しなくても、しっかり数回あえればダマにならずに混ざるはず。ムラが気になる場合は、サラダ油などを加えましょう
本家の汁なしレジェンドといえば「ラーメン二郎 横浜関内店」ですが、ここではアレンジインスパイアの雄「ジャンクガレッジ」スタイルでゴージャスに仕上げていきます。とはいえ、もちろんテイスティングで重視するのは麺と「ラーメンの上だけ」との絡み具合や、野菜との相性です。
マヨネーズ、カツオ節、ベビースター、チーズなどをみっちり。麺と野菜が隠れるレベルで盛り付けるのが正解です
食べてみると、きわめてアリなバランス感。「ラーメンの上だけ」のパウダーが麺にしっかり絡み、パワフルこってりなワシワシ麺を堪能できます。そして野菜やトッピングとのコンビネーションも良好。先述のラーメンはスープも野菜も味付きでしたが、この汁なしは野菜の味付けがない分メリハリが生まれ、個人的にはこちらのほうが好きな味です。
麺の量は180g。「ラーメンの上だけ」が200〜250gの野菜を適量としているので少々濃い味ですが、こうして食べればむしろちょうどいいぐらいです
アレンジは自由自在。牛丼やカップ麺に乗せるなど、いろいろ試してみてください
二郎系の濃縮スープや、ニンニク入り調味料にはすでに多くの商品があるなかで、野菜用に特化したのはナイスな着眼点。希望小売価格は129円(税込)ですが、もっと安く売っているスーパーもあるでしょう。レンチンして混ぜるだけという使いやすさで、野菜を手軽に摂れるのも魅力的。個人的な推しは汁なしですが、ぜひいろいろと試してみてください。