レビュー

ShanlingのCDプレーヤーって実際どうなの? 真剣に試聴してみた

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Shanling(シャンリン)のCDプレーヤー3モデルをレビュー。上からポータブルタイプの「EC Play」「EC Zero」、据え置き型の「CD80 II」

Shanling(シャンリン)のCDプレーヤー3モデルをレビュー。上からポータブルタイプの「EC Play」「EC Zero」、据え置き型の「CD80 II」

新品で購入できるCDプレーヤーが少なくなってきた現状で、にわかに台頭してきたブランドShanling(シャンリン)。1988年創業の中国のオーディオメーカーで、CDやSACDプレーヤーのほか、DAP(デジタルオーディオプレーヤー)、DAC(D/Aコンバーター)、真空管アンプやイヤホンまで幅広いラインアップを揃える。さらに、この6月には70万円の高級CD/SACDプレーヤー「SCD3.3」まで飛び出して勢いに乗るばかり。シャンリンは選択肢の少ないCDプレーヤーの救世主になるのか? 同社CDプレーヤー3モデルを拙宅にて試聴した。

今回お預かりしたのは、同社の中核と言える価格帯のCDプレーヤー。2025年9月発売の据え置き型「CD80 II」と、発売したばかりのポータブルに特化した「EC Play」、それらの前身と言えそうな両者の“いいとこ取り”モデル「EC Zero」の3つだ。

USBメモリーからの音源再生やBluetooth機能も生かせる
据え置き型の「CD80 II」

トレイ式のドライブはレスポンスがよく、ローディングも速い。USB Type-A端子にUSBフラッシュメモリーを挿せば、ハイレゾを含む音楽ファイル再生も可能だ。また、ヘッドホン出力は3.5mmのほか4.4mmバランス端子も装備する

トレイ式のドライブはレスポンスがよく、ローディングも速い。USB Type-A端子にUSBフラッシュメモリーを挿せば、ハイレゾを含む音楽ファイル再生も可能だ。また、ヘッドホン出力は3.5mmのほか4.4mmバランス端子も装備する

「CD80 II」は、B5〜A4サイズ程度の小ぶりな金属筐体と丸形ディスプレイが特徴の据え置き型CDプレーヤー。サイズは280(幅)×205(奥行)×52(高さ)mm 。シンプルな佇まいながら高性能を狙っており、同社製第4世代のサーボシステムと「HD850」ピックアップレンズを組み合わせ、DAC素子にはシーラス・ロジックの「CS43198」を奢る。

アナログ音声出力(RCA)とデジタル音声出力(同軸)が1系統ずつのシンプルなリアパネル。右端はBluetoothレシーバー機能のためのアンテナ。対応コーデックはSBC、AAC、LDAC

アナログ音声出力(RCA)とデジタル音声出力(同軸)が1系統ずつのシンプルなリアパネル。右端はBluetoothレシーバー機能のためのアンテナ。対応コーデックはSBC、AAC、LDAC

比較的小ぶりの赤外線リモコンが付属する

比較的小ぶりの赤外線リモコンが付属する

アナログRCA出力は高域がクリアーで滑らか

まずはシンプルに据え置きCDプレーヤーとしての実力をチェック。背面のアナログ音声出力端子からRCAケーブルで拙宅のAccustic Artsのプリメインアンプ「POWER I MK3」につなぎ、KEFのスピーカー「Reference 5」で聴く。

デュトワ指揮モントリオール交響楽団のCD「ストラヴィンスキー:バレエ《春の祭典》」は、のっけから目が覚めるようなファゴットで幕を開ける。性急なリズムと相まって管楽器が叫ぶあたりはややハイ上がりの印象だが、滑らかなので下品にならない。かといって、低音域が軽薄になることもなく、チューバの響き、ティンパニーの押し出しもよい。左右のセパレーションもなかなかしっかりしており、ステージ上の楽器群が見渡せるようだ。

SACDハイブリッド盤の「ナウ・ザ・グリーン・ブレイド・ライズス」(CD層を再生)では、少年少女の合唱が広がり豊かで、バックのフルートやオカリナといった楽器がよく通る。高音域がクリアーかつ滑らかという特徴が、こうした清澄なサウンドにピッタリハマる。それに気をよくして手に取ったCD「ほしとたんぽぽ」で、はいだしょうこの唱歌を聴くと、予想以上に淀みない清らかな声にやさしい気持ちになれる。

逆に、聴き慣れたジャズやロックはイメージより少しきらびやかに感じる。SACDハイブリッド盤「アンティフォン・ブルース」(CD層を再生)はオルガンとサックスの響きがネオンのようにまぶしい。

EDMのようにキレが求められる曲でもう少しエッジが欲しいなら、「再生設定」から「フィルター」を選び直すこともできる。「Nonoversampling」や、「Low-latency Fast」あたりがわかりやすくてよいだろう。どれがいちばんということはないので、好みで選んでよい部分だ。

「フィルター」からデジタルフィルターの特性を選んで音質を変えられる。初期値は「Low-latency Slow」のようだ

「フィルター」からデジタルフィルターの特性を選んで音質を変えられる。初期値は「Low-latency Slow」のようだ

ヘッドホン出力にも共通した魅力は高域の滑らかさ

音声出力はセレクター(ノブ)を押して切り替える方式。ヘッドホン出力は「HP Out」

音声出力はセレクター(ノブ)を押して切り替える方式。ヘッドホン出力は「HP Out」

続いて、ヘッドホン出力を聴いてみよう。オペアンプチップ「SGM8262-2」をデュアルで搭載し、最大850mW@32Ωの高出力を得ているとのことで、比較的鳴らしにくいオーデジーのヘッドホン「MM-100」を4.4mmバランス出力につないだ。

ヘッドホンのサウンドは、華やかなアナログ音声出力(ラインアウト)とはやや異なり、意外に落ち着いている。どのディスクをかけても、聴き慣れた作品の印象に近かった。共通しているのは、高域の滑らかさだ。そこをポイントに音作りしていると再確認した。

なお、「MM-100」を鳴らすのにはゲイン「Low」では少し物足りず、音量が上限の100に近くなってしまった。ゲインを「High」にすると快適だ。

フロントパネルに3.5mm/4.4mmヘッドホン出力端子を備える

フロントパネルに3.5mm/4.4mmヘッドホン出力端子を備える

「Eddict Player」アプリで簡易ネットワークプレーヤーにもなる

「CD80 II」はBluetoothレシーバーとしても機能する。対応コーデックはLDAC、AAC、SBCだ。まずは「iPhone 15」とペアリングして、Apple Musicで最新の洋楽を聴く。正直、CDで聴いた音質と比べてしまうとかなりの落差があった。もっとも、LDACに対応するAndroidデバイスなら、LDACでの接続を活用すれば高音質を期待できる。

LDACで接続した場合は、当然LDACに対応したデバイス(Androidのスマホなど)が必要だ。そのうえで、「CD80 II」の「Bluetooth設定」をチェック。LDAC接続時は右のように表示されるので安心だ

LDACで接続した場合は、当然LDACに対応したデバイス(Androidのスマホなど)が必要だ。そのうえで、「CD80 II」の「Bluetooth設定」をチェック。LDAC接続時は右のように表示されるので安心だ

また、シャンリンの製品は「Eddict Player」というアプリでさまざまな操作ができる。たとえば「クラウドミュージック」機能で、同一LAN内のNASから音源の読み出しが可能。これをLDAC接続で「CD80 II」に送れば、簡易的なネットワークオーディオプレーヤーとしても使える。回りくどいが、サクサク動くし、さすがLDAC、音はよい。

さらに「SyncLink」機能で「CD80 II」本体とリンクさせると、ソース切り替えや音量といったリモコンでもできる基本的な操作のほか、デジタルフィルター切替えなどちょっと階層の深いメニューも操作できる。もっとも、このときにはDLNA再生はできない(ネットワークオーディオプレーヤー的には使えない)という難点がある。

「SyncLink」機能を使うと、「Eddict Player」アプリから各種設定を操作可能

「SyncLink」機能を使うと、「Eddict Player」アプリから各種設定を操作可能

「CD80 II」はアコースティック系音源にぴったりの据え置き型モデル

「CD80 II」は、コンパクトかつ上質な筐体と安定感ある動作が魅力のCDプレーヤーだ。Bluetoothレシーバー機能を利用してネットワークオーディオプレーヤー的に利用することもできるが、あくまでCDプレーヤーとして使うのがメインだと考えるのがよいだろう。高音域がクリアーで滑らか、なおかつキツさがなく聴きやすいので、打ち込み系よりもアコースティック系を好む方にぴったり。

ポータブル用にしておくのはもったいない
高音質なバッテリー内蔵モデル「EC Zero」

「EC Zero」はバッテリー内蔵のポータブルタイプ。ヘッドホン出力は3.5mmのほか4.4mmバランス端子も装備する。うれしいのは再生、停止、早送りといった物理ボタンとスライダー式のボリュームノブが搭載されていること

「EC Zero」はバッテリー内蔵のポータブルタイプ。ヘッドホン出力は3.5mmのほか4.4mmバランス端子も装備する。うれしいのは再生、停止、早送りといった物理ボタンとスライダー式のボリュームノブが搭載されていること

「EC Zero」は、バッテリー内蔵のポータブルCDプレーヤー。ソリッドアルミニウムの一体成形でネジ穴がない上質な佇まいは据え置き型の「CD80 II」と同様だ。

中身にも、据え置き型並みの機能が盛り込まれている。DAC素子には「AK4493S」を採用し、ヘッドホンアンプ部にはオペアンプ「SGM8262-2」をデュアルで搭載。バッテリー動作時でも最大525mW@32Ωの出力を得られる。なお、外部電源入力モードでは、最大836mW@32Ωと、これまた据え置き型の「CD80 II」に迫る数値だ。

さらに「CD80 II」にはない機能として、「EC Zero」がUSB DACとなる点があげられる。USB Type-C端子をPCと接続すれば「EC Zero」を外部DACとして使えるほか、スマホやタブレットへの直結も可能だ。

電源ボタンは左側面に小さくレイアウトされている。右側面には小さなロックスイッチがあり、ポータブル用途に配慮されている

電源ボタンは左側面に小さくレイアウトされている。右側面には小さなロックスイッチがあり、ポータブル用途に配慮されている

口は大きく開く。ロックしなくてもディスクローディングなどの操作は可能なので、デスクトップでも使いやすい

口は大きく開く。ロックしなくてもディスクローディングなどの操作は可能なので、デスクトップでも使いやすい

凝縮されたリアパネルの端子。アナログ音声出力(ラインアウト)は3.5mmステレオ(アンバランス)と4.4mmステレオ(バランス)。一般的なRCAやXLR端子への接続時は変換ケーブルが必要になる。デジタル音声出力(同軸/光)も3.5mm端子。電源入力のUSB Type-C端子(USB/DC IN)を使えば、CDリッピング用のドライブにもなるのが面白い

凝縮されたリアパネルの端子。アナログ音声出力(ラインアウト)は3.5mmステレオ(アンバランス)と4.4mmステレオ(バランス)。一般的なRCAやXLR端子への接続時は変換ケーブルが必要になる。デジタル音声出力(同軸/光)も3.5mm端子。電源入力のUSB Type-C端子(USB/DC IN)を使えば、CDリッピング用のドライブにもなるのが面白い

アナログ音声出力ならばUSBからの給電でよりパワフルに聴きたい

まずは背面スイッチを「EXT DC」にし、USBで給電しながらの再生を試してみた。背面の3.5mmステレオミニ出力をRCAに変換して拙宅のオーディオシステムにつなぐ恰好だ。

「EC Zero」の3.5mmアナログ音声出力にRCA変換ケーブルを接続

「EC Zero」の3.5mmアナログ音声出力にRCA変換ケーブルを接続

出力先に「Line Out」を選択する

出力先に「Line Out」を選択する

CD「春の祭典」は、冒頭から一聴してポータブルの範疇を超えていることがわかる。ティンパニーがドーンと登場すると、楽器が入り乱れる狂喜乱舞っぷりは絶好調。「CD80 II」以上に立派なオーディオ機器である。

なお、「EC Zero」でもデジタルフィルターが開放されている。本機が持つダイナミックなサウンドテイストを生かすべく選んだのは、「Filter:0」。まさに「春の祭典」のようなダイナミックなオーケストラの展開にはよくマッチした。

合唱曲「ナウ・ザ・グリーン・ブレイド・ライズス」では少年少女の合唱と背後の楽器がウェルバランスで、制作の意図どおり実直に再生されている印象。「アンティフォン・ブルース」も、サックスとオルガンの響きがまとまりよく、聴き慣れたバランスで安心できる。「ほしとたんぽぽ」ではオンマイクっぷりが際立ち、はいだしょうこの口元がなんともリアル。伴奏のピアノもエコーがかったようにふくらまないため、歌に集中できる。

もっとも、「iPhone 15」とUSBケーブルでつないで最近の打ち込み系ポップスを聴く場合には、「Filter:3(Short Delay Slow)」のようなキレがあるフィルターのほうが低音域がふくらみすぎず好ましく聴けた。

ちなみに「EXT DC」から内蔵「BAT」モードに切り替えると、S/Nが向上して静けさは増す。もっとも、本機らしいダイナミズムがやや損なわれる印象はある。

USB DAC機能もあるため、スマホやタブレットとの直結も可能。手軽に高音質再生を狙える方法だ

USB DAC機能もあるため、スマホやタブレットとの直結も可能。手軽に高音質再生を狙える方法だ

5500mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、有線ヘッドホン使用時には約10時間の連続再生が可能だとしている

5500mAhのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、有線ヘッドホン使用時には約10時間の連続再生が可能だとしている

ヘッドホン出力の音もアナログ音声出力(ラインアウト)時と印象は同様。モバイルだけに使うにはもったいないほどの品質だ。

4.4mmバランス接続でオーデジーのヘッドホン「MM-100」を鳴らすと、ヴォーカルの口元がリアルで、各楽器の解像感、キレ、定位感とも申し分ない。「CD80 II」同様、2段階のゲイン調整があり、「High」を選べば音量も十分。

なお、Bluetoothは送信機能のみで、対応コーデックはaptX Adaptive、aptX、SBC。便利に使える機能ではあるが、せっかくの高品位プレーヤーなのだから、ぜひとも有線接続で使ってもらいたい。

「EC Zero」はデスクトップ用でもポータブル用でも活躍できる

物理ボタンやスライダーなどによる操作感が良好で、使いやすいのにコンパクト。しかも据え置き型として使ってもよいほどの音質なので、使いたいときだけ机に出してアンプやスピーカーにつないでもよいし、スマホを直結してSpotifyなどの音楽をヘッドホンで聴くスタイルにもよいだろう。求める使い方にハマれば、「EC Zero」はかなり満足度の高いCDプレーヤーになるはずだ。

「CD80 II」のモバイル版と言える内容
コンパクトに徹したモバイル機「EC Play」

「EC Play」は、「EC Zero」をさらにコンパクトにしたようなバッテリー内蔵CDプレーヤー。小さくともヘッドホン出力は3.5mm、4.4mmの2つを備える

「EC Play」は、「EC Zero」をさらにコンパクトにしたようなバッテリー内蔵CDプレーヤー。小さくともヘッドホン出力は3.5mm、4.4mmの2つを備える

「EC Zero」がUSB DAC機能や高音質デバイスの採用といった据え置き型同様の個性を打ち出したモデルであるのに対し、「EC Play」はより軽量コンパクトに徹したモデルだ。こちらはアナログ音声出力(ラインアウト)を搭載しないシンプルなポータブルCDプレーヤーで、色はブラック、シルバー、グリーンの3色から選べるところからもファッション志向が垣間見える。

内蔵バッテリーは3450mAhと「EC Zero」より容量が小さいものの、再生時間は12時間に増えている。特に最大「700mW@32Ω」のパワフルな音声出力と100段階の精密な音量調節、2段階のゲイン設定あたりは、ヘッドホン用途をより重視した結果の表れと言えるだろう。手軽さを追求した結果かBluetoothのコーデックも充実していて、受信対応コーデックはSBC、 AAC、LDAC、送信対応コーデックはSBC、LDACとなっている。

そのほかも「CD80 II」「EC Zero」譲りの技術が詰め込まれている。「CD80 II」からはシーラス・ロジックのDAC素子「CS43198」とオペアンプ「SGM8262-2」のデュアル使いを、「EC Zero」からは堅牢なアルミニウム筐体、ディスクを上下から磁力でしっかり挟んで安定させる方式を引き継いでいると言えるだろう。

口はかなり大きく開く(約65°)ので、ディスクの出し入れが簡単

口は大きく開く(約65°)ので、ディスクの出し入れが簡単

アナログ音声出力(ラインアウト)は装備しないものの、USB DAC機能用のUSB Type-C、デジタル音声出力(3.5mm)を揃える

アナログ音声出力(ラインアウト)は装備しないものの、USB DAC機能用のUSB Type-C、デジタル音声出力(3.5mm)を揃える

小型でも据え置き型「CD80 II」に迫るサウンド

CDの読み込み動作は、「CD80 II」のキビキビしたローディングと比べるとややおっとりした印象だがイラつくほどではない。

まずは4.4mmバランス出力にオーデジーのヘッドホン「MM-100」を接続してサウンドチェック。一聴して、「CD80 II」のヘッドホン出力と酷似していると感じる。高音域のクリアネスと滑らかさが印象的だが、必要以上に華美ではない。試しにヘッドホン出力にRCA変換ケーブルを接続してオーディオシステムでも聴いてみると、音の広がりでは一歩及ばないものの「CD80 II」と遜色ないと言える音質だった。

2段階のゲイン調整が可能。オーデジー「MM-100」ではやはり「High」が好適だった

2段階のゲイン調整が可能。オーデジー「MM-100」ではやはり「High」が好適だった

スマホのポタアン的に使えるUSB DACが便利

USB DAC機能を使えば、PCやスマホと直結してハイレゾ再生も可能

USB DAC機能を使えば、PCやスマホと直結してハイレゾ再生も可能

「EC Play」の特徴のひとつは、「EC Zero」と同様にUSB DACを持っていること。対応サンプリング周波数/量子化ビット数には差があるが、「EC Play」では384kHz/32bitのPCMおよび11.2MHz/1bitのDSD信号に対応する。必要十分と言えるスペックだろう。やはりPCとつないでもよいし、スマホやタブレットを直結し、DAC&ヘッドホンアンプとして音楽ストリーミングを高音質で聴くのに便利な機能だ。音質もCD再生時同様の高品位。

ここで、「iPhone 15」のApple Music音源をBluetoothで送ったサウンドも試してみた。「CD80 II」同様、AACでの転送も悪くはないが、USBで直結したときよりも“緩い”印象は拭えない。無線で聴きたいならばLDACが有利だが、せっかくの高品位を生かすなら有線接続で……というのが正直なところだ。

入力を「USB DAC」に切り替えて試聴

入力を「USB DAC」に切り替えて試聴

なお、「EC Play」でもデジタルフィルターが開放されている。デフォルトは「Fast Roll-Off」のようだ。昨今主流のEDM系ポップスならば、若干エッジの効いた「Low-latency Fast」のほうが合うと思う。もっとも、「CD80 II」ほどフィルターによるニュアンスの違いは感じにくい。購入したらぜひ好みを探ってほしい。

「EC Play」はコンパクトでも据え置き型並みの音質を得られる良品だった

「EC Play」は「CD80 II」のコア部分と言える中身をコンパクトな筐体に詰め込んだ意欲作だ。アナログ音声出力(ラインアウト)は持たないが、いつでもどこでも「CD80 II」に迫るサウンドを楽しめる良品だった。

【まとめ】どれもすぐれた製品だが最も高コスパなのは「EC Zero」!

FiiOなどもそうなのだが、中国ブランドの製品は多種多様で、かついずれも機能が豊富であることが多い。多機能なのはよいのだが、それゆえにすみ分けが伝わりにくいことがある。今回の3モデルも三者三様だった。

わかりやすく言えば、据え置き型ならば「CD80 II」、ポータブル中心ならば「EC Play」、どちらの使用頻度も半々ならば「EC Zero」。使い方次第で選ぶということになるだろう。どれも一定以上の品質は担保されていて、コストパフォーマンスは高い。

ただし、正直に書くと、オーディオとしてのクオリティが最も高かったのは「EC Zero」だ。操作感もよいし、最もコストパフォーマンスにすぐれていると思う。もっとも、給電方法がUSB経由のみなので、据え置き型として使うならば電源にひと工夫したくなる。

「EC Play」のコンパクトさや手軽さは魅力的なのだが、音質を「EC Zero」や「CD80 II」と比べてしまうとやや物足りなさがあるのも事実だ。オーディオにじっくり取り組むのならば、思い切って「EC Zero」へと飛んでみるのはどうだろうか。この音質からみて、決して高額な印象はなかったからだ。

遠藤義人
Writer
遠藤義人
ホームシアターのある暮らしをコンサルティングするfy7d(エフワイセブンディー)代表。ホームシアター専門誌「ホームシアター/Foyer(ホワイエ)」の編集長を経て独立、住宅・インテリアとの調和も考えたオーディオビジュアル記事の編集・執筆のほか、システムプランニングも行う。「LINN the learning journey to make better sound.」(編集、ステレオサウンド)、「聞いて聞いて!音と耳のはなし」(共著、福音館書店。読書感想文全国コンクール課題図書、福祉文化財推薦作品)など。
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柿沼良輔(編集部)
Editor
柿沼良輔(編集部)
AV専門誌「HiVi」の編集長を経て、カカクコムに入社。近年のAVで重要なのは高度な映像と音によるイマーシブ感(没入感)だと考えて、「4.1.6」スピーカーの自宅サラウンドシステムで日々音楽と映画に没頭している。フロントスピーカーだけはマルチアンプ派。
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