選び方・特集

「EarPods」で本当に満足? 3,000円前後で買えるUSB-Cイヤホン9機種をガチで聴き比べてみた

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「EarPods」で本当に満足? 3,000円前後で買えるUSB-Cイヤホン9機種をガチで聴き比べてみた

フラッグシップ機ともなれば数万円にまで高騰している昨今の完全ワイヤレスイヤホン。「バッテリー劣化が気になってそこまでお金をかけられない」「気兼ねなくラフに使いたい」という需要が高まる中、数千円台でパッと買えて、充電いらず・遅延ゼロ・直挿しOKで気楽に使える「USB-C有線イヤホン」が再び評価されています。

そのなかで手ごろなモデルを探すときに真っ先に候補へ上がるのが、アップル純正の「EarPods with USB-C」です。知名度も高く「とりあえずEarPodsでいいか」と選びがちですが……ちょっと待ってください。実は「EarPods with USB-C」と同じ3,000円前後の予算でも、遮音性にすぐれたカナル型や、音質に特化したモデルなど、純正にはない魅力を持った選択肢がズラリと揃っています。

そこで本記事では、定番モデルである「EarPods (USB-C)」と同価格帯の実力派9製品をガチ比較。定番の純正か、それとも個性が光るサードパーティ製か、本当にフィットする1本を見つけるための完全ガイドをお届けします。

5つの評価基準と検証結果

3,000円前後のUSB-C有線イヤホン選びで重要なのは、「自分の使い方に合わせて、どこを重視し、どこを割り切るか」です。

今回は日常使いで後悔しないために、以下5つの基準を設定しました。同価格帯の相場を基準に各項目を5段階(★〜★★★★★)で採点し、アップル「EarPods with USB-C」を含む全9製品を同じ環境で徹底比較しました。各モデルのレビューには、マイク性能の検証結果を掲載しているので、あわせて参考にしてください。

iPhoneにUSB-Cイヤホンを直挿しし、音楽コンテンツやYouTube動画、ゲームなどで実際に使用して評価を行いました。なお、掲載しているマイク収録音声は、空調が動作している比較的静かな部屋と街中の雑踏の音を流した状態でiPhoneのボイスメモにて録音したものになります

iPhoneにUSB-Cイヤホンを直挿しし、音楽コンテンツやYouTube動画、ゲームなどで実際に使用して評価を行いました。なお、掲載しているマイク収録音声は、空調が動作している比較的静かな部屋と街中の雑踏の音を流した状態でiPhoneのボイスメモにて録音したものになります

全9機種の検証結果

製品
価格.com最安価格
画像ショップリンク詳細を見る 形状 音質(中高音) 音質(重低音) 遮音性(没入感) 装着感(快適性) マイク品質 特徴・おすすめ用途
アップルEarPods with USB-C
円
アップル「EarPods with USB-C」 詳細を見る価格.comへ インナーイヤー ★★★★☆ ★★☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ★★★★★ 声の抜け感と自然なマイクで通話・Web会議用途に最適。ゆるい装着感で室内での流し聴きにも使える。
JBLTune 305C
JBL「Tune 305C」 詳細を見る価格.comへ インナーイヤー ★★★★☆ ★★★★☆ ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ 開放型とは思えない豊かな低音。EarPodsより低音の迫力が欲しい人に最適。
フィリップスTAE2000
円
フィリップス「TAE2000」 詳細を見る価格.comへ インナーイヤー ★★★★☆ ★★★☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆ 軽快な着け心地と適度な低音。ラフに使えるインナーイヤー型イヤホン探している人にぴったり
JBLTune 310C
円
JBL「Tune 310C」 詳細を見る価格.comへ カナル ★★★★☆ ★★★★★ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ 王道のJBLサウンド。電車移動でも迫力ある音楽を楽しみたい人に向いている。
FiiOJD10 Type-C
円
FiiO「JD10 Type-C」 詳細を見る価格.comへ カナル (IEM) ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ 同価格帯トップクラスの解像度。アニソンやボーカル曲をじっくり聴き込みたい人にぴったり。
AZLATRINITY USB-C
円
AZLA「TRINITY USB-C」 詳細を見る価格.comへ カナル ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★☆☆☆ 高性能イヤーピースを4サイズ同梱。定位感もよくゲーム向け。
ソニーIER-EX15C
円
ソニー「IER-EX15C」 詳細を見る価格.comへ カナル ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆ 小耳にもすっぽり収まる極小設計。マイクの質感もよくWeb会議にも便利。
オーディオテクニカATH-CKD30C
円
オーディオテクニカ「ATH-CKD30C」 詳細を見る価格.comへ カナル ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★★☆ 安っぽさがなく、布巻きコードもおしゃれ。騒がしいところでも通話で使える万能タイプ。
XiaomiXiaomi Type-C イヤホン
円
Xiaomi「Xiaomi Type-C イヤホン」 詳細を見る価格.comへ カナル ★★☆☆☆ ★★★★☆ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★★☆ 実売1000円切りの超破格モデル。マイクはそれなりに使えるので、カバンに入れておく通話用サブ機に。

5つの評価基準

�@音質(中高音・ボーカル): 人の声やセリフ、楽器の輪郭がクリアに聴こえるか
�A音質(重低音・迫力): ドラムやベースの量感、映画や音楽の迫力がしっかり伝わるか
�B遮音性(没入感): 電車内や街中の騒音をどれだけ防げるか、周囲への音漏れはないか
�C装着感(快適性): 耳への収まりがよいか、長時間の使用でも痛くなりにくいか
�Dマイク品質(通話性能): 声がこもらず相手にクリアに届くか

★の基準(3,000円台の相場を基準とした評価)
★★★★★: 同価格帯において最高峰レベル
★★★★☆: 平均以上のすぐれた実力
★★★☆☆: 価格相応の標準的な性能
★★☆☆☆: 実用はできるが物足りなさが残る
★☆☆☆☆: 実用上ストレスを感じる

【通話と“ながら聴き”なら最有力候補】アップル「EarPods with USB-C」

【基本スペック】
形状:インナーイヤー型
ドライバー:10mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.2m
カラーバリエーション:ホワイト
付属品:なし

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★★☆
音質(重低音・迫力): ★★☆☆☆
遮音性(没入感): ★☆☆☆☆
装着感(快適性): ★★★★☆
マイク品質(通話性能): ★★★★★

マイク収録音声



レビュー

・耳をふさがない極上の快適さと、圧倒的にクリアな通話マイクが魅力。
・フラットで聴き疲れしない音質は、長時間のWeb会議やながら聴きに最適。
・遮音性は低いため、騒音の多い屋外や電車内での音楽鑑賞には不向き。

装着感とデザイン

耳のくぼみにちょこんと乗せるような装着感で、カナル型イヤホンのような耳の中が蒸れる感じや嫌な圧迫感が少ない「EarPods with USB-C」。身近なコンビニでも手に入り、いまやUSB-C有線イヤホンの定番モデルとなっています。

表面がツルツルした素材のため、カナル型になれていると外れやすく感じるかもしれませんが、このゆるい着け心地だからこそ長時間着けっぱなしでも疲れにくいというのはあります。ただ、イヤーピースで細かな調整ができないため、耳の形によってはポロッと落ちやすい場合も。ここは事前に試せるなら一度確認しておきたいところです。

音質と遮音性

音についてはやや低音弱めのフラット傾向で、静かな部屋で聴く分には全体のまとまりがよく、なによりインナーイヤー型特有の声の抜けのよさが素晴らしいです。解像感は決して高くないですが、聴き疲れしにくい絶妙な塩梅。音楽リスニングはもちろん、YouTube動画やラジオ、ポッドキャストの流し聞きにもピッタリハマりそうです。最小音量が小さく、BGM的な使い方にも向いています。

ただ、騒がしい環境に持ち出すと気になる弱点もあります。耳穴を完全にふさがない構造上、周りの音もかなり入ってくるため、電車の走行音などにかき消されて低音が細くしぼんだように感じられることも。騒音に負けないよう音量を上げると、今度はシャカシャカとした音漏れが気になってしまいます。騒がしい環境で使うことが多く、周囲の音を遮断することを最優先にしたいなら、別の候補を選択したほうがよさそうです。

マイク性能

通話用のマイク性能だけは3,000円台とは思えないほど優秀でした。口元近くにちょうどくるような部分にインラインマイクが配置されていることもあり、声がこもらずクリアに相手へ届くうえ、耳を完全にふさがないため自分の声も自然に入るので喋りやすさは抜群です。

【総評】

インナーイヤー型で圧迫感も少なく、バランスよく聴き疲れしにくいサウンドを楽しめる点は「EarPods with USB-C」の大きな魅力です。外の音がガンガン入ってくるため、本格的な音楽リスニング用として使う場合はパーソナルエリアが多くなりそうですが、通話やオンライン会議の相棒として見るなら、マイク品質にすぐれた「EarPods with USB-C」を選ぶのは大いにアリでしょう。

【開放型とは思えない豊かな低音】JBL「Tune 305C」

【基本スペック】
形状:インナーイヤー型
ドライバー:12.5mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.2m
カラー展開:ブラック、ブルー、ホワイト、レッド
付属品:なし

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★★☆
音質(重低音・迫力): ★★★★☆
遮音性(没入感): ★☆☆☆☆
装着感(快適性): ★★★★☆
マイク品質(通話性能): ★★★☆☆

マイク収録音声



レビュー

・開放型(インナーイヤー)ながら、JBLらしい豊かな低音が楽しめる。
・3種類のイコライザーで好みの音質に調整可能。
・「EarPodsの軽い音では物足りないけれど、カナル型は苦手」という人に最適。

装着感とデザイン

ハイエンドスピーカーから手ごろなポータブルオーディオ製品まで幅広く手がけるJBL。USB-C有線イヤホンもいくつか展開していますが、貴重なインナーイヤー型を採用しているのがこの「Tune 305C」です。カラーバリエーションが豊富な点も、白一色の「EarPods with USB-C」にはない魅力と言えます。

装着感については「EarPods with USB-C」と共通する部分が多く、耳の穴をふさがないため圧迫感はありません。ただ、装着してみると「EarPods with USB-C」よりひと回り大きく感じられるため、耳のサイズが小さめな方は実際に着け心地を試してみることをおすすめします。

ケーブルには、平たいきしめんのようなフラットタイプを採用。カバンの中でぐちゃっとしても引っかからずにスッとほどける取り回しのよさは大きなメリットですが、服に擦れたときのタッチノイズは通常ケーブルより若干気になります。動きながら使う場合は、ケーブルが不用意に動かないようになにかしらの対策をしたほうがよいでしょう。

音質と遮音性

構造上、「EarPods with USB-C」同様に周囲の音はガンガン入ってくるため、屋外や電車内での遮音性は期待できません。

音については、12.5mm径の大型ダイナミックドライバーやハイレゾ対応DACチップを搭載しているだけあって、開放型とは思えないほど低音がよく響いてくれます。細部の解像度はカナル型のモデルに比べると若干劣るものの、開放的な広い空間でJBLらしい元気でノリのよいサウンドが響き、音楽を聴いていて素直に気持ちよさを感じられる仕上がりです。

デフォルトの状態ではやや低音寄りのチューニングですが、リモコンの「+」と「ー」ボタンを同時に長押しすることで3種類のイコライザーを切り替えることが可能です。「Vocal」モードは人の声が聴き取りやすくなり、YouTube動画やラジオを楽しむのに向いていましたが、低音を強調する「BASS」は低音が野太くなりすぎるきらいがあるので、音楽をノリよく楽しむなら、「デフォルト」が一番バランスよく使えそうです。

また、DACのパワーがあるためか、iPhoneに接続した際に最小音量がやや大きめな点も気になりました。音量を最小目盛りに下げてもそれなりの音量で鳴るので、小さな音でBGMを流したいようなシチュエーションにはあまり向かなそうです。

マイク性能

マイク品質ついては声の質感もしっかりと出ていて決して悪くはないのですが、周囲の音を拾いやすく、騒がしい環境だとやや使いにくいかもしれません。通話などの音声コミュニケーションを行う場合は、できるだけ静かな環境で使うことをおすすめします。

【総評】

音声通話重視なら「EarPods with USB-C」に軍配が上がりますが、耳が圧迫されるカナル型は絶対に嫌だけど、「EarPods with USB-C」のような軽い音では満足できないという人には「Tune 305C」はまさに最適。タッチノイズがやや気になるので、アクティブに動いて使う用途にはあまり向かないですが、長時間じっくりと音楽を向き合うための相棒としてなら間違いなく有力な選択肢になるはずです。

【2,000円切りで軽快な着け心地】フィリップス「TAE2000」

【基本スペック】
形状:インナーイヤー型
ドライバー:14.2mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.2m
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト、パープル、オレンジ、ライトブルー
付属品:なし

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★★☆
音質(重低音・迫力): ★★★☆☆
遮音性(没入感): ★☆☆☆☆
装着感(快適性): ★★★★☆
マイク品質(通話性能): ★★☆☆☆

マイク収録音声



レビュー

・実売2,000円を切る価格で、5色のカラバリが選べる高コスパなインナーイヤー型。
・耳のくぼみに自然に収まる軽快な着け心地で、バランスの取れたクセのない音が特徴。
・マイクが口元から遠く、騒がしい環境では通話に不向きだが、手軽な室内用サブ機として優秀。

装着感とデザイン

老舗オーディオブランド・フィリップスから登場した「TAE2000」は、実売2,000円を切る手ごろな価格が魅力のインナーイヤー型イヤホンです。このような低価格モデルの場合、カラーは定番のブラックやホワイトだけということも多いですが、「TAE2000」はパープル、オレンジ、ライトブルーといったポップな全5色のカラーバリエーションを用意。この価格帯のエントリー機でここまで色を選ばせてくれるメーカーはまずありません。伝説のハイコスパ機「SHE9700(キューナナ)」を手がけ、世界中で製品を展開するフィリップスだからこそ実現できたモデルと言えます。

もちろん、ただ単に価格が安いだけというわけではありません。特に注目したいのが、14.2mmのドライバーを搭載しながら非常にコンパクトに作られていること。大口径のドライバーユニットを搭載していると“本体が大きそう”と思われがちですが、音が出るノズル部分を細く絞り、斜めに角度をつけて配置する工夫が施されているため、耳のくぼみにスッと自然に収まってくれます。樹脂素材ならではのチープっぽさは否めないものの、そのぶん本体が非常に軽く、耳への負担感がほとんどないのもメリットです。

また、ケーブルの構造も少々ユニークで、インラインリモコンを境目にして、イヤホン側が細く、USB-Cコネクター側が太い仕様になっています。プラグ側の太いケーブルはやや巻きグセが付きやすいものの、表面加工がしっかりしているためか、服に擦れたときのタッチノイズはそれほど気になりません。ただ、イヤホン側の細いケーブルは見るからに頼りなく、どこかに引っ掛けると断線しやすそうなので、カバンから引っ張り出す際などの扱いには少し注意したほうがよさそうです。

音質と遮音性

音については、クセがなく全体的にとてもバランスよくまとまっています。14.2mmの大型ドライバーが効いているのか、小さな音量でも低音やボーカルの芯が失われずにしっかり音楽を楽しめます。静かな部屋でゆったり音楽を聴いたり、YouTubeやポッドキャストを流し聴きするのには十分なクオリティです。

マイク性能

通話用マイクの扱いには少し注意が必要です。マイクを搭載したインラインリモコンがケーブルの中央近く(胸元下あたり)に配置されているため、騒がしい環境下でそのまま垂らした状態で喋ると声がかすれてしまいます。声をしっかり拾わせたいときはリモコンを手でつまんで口元に持ってくるのがよいでしょう。

【総評】

マイクの取り回しやケーブルの華奢さに価格なりの割り切りは必要ですが、2,000円切りでこの軽快な装着感とバランスのよい音が手に入るなら、思ったよりも悪くはありません。耳をふさがないインナーイヤー型で気兼ねなくラフに使える普段使い用の1本が欲しいなら、選択肢に入れてもよいでしょう。

【電車の騒音に負けないパワフル重低音】JBL「Tune 310C」

【基本スペック】
形状:カナル型
ドライバー:9mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.2m
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト、ブルー、レッド
付属品:シリコンタイプイヤーピース(S、M、L)

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★★☆
音質(重低音・迫力): ★★★★★
遮音性(没入感): ★★★★☆
装着感(快適性): ★★★★☆
マイク品質(通話性能): ★★★☆☆

マイク収録音声



レビュー

・カナル型ならではの遮音性で、電車の騒音に負けず音楽に没入できる。
・メリハリの効いたパワフルな重低音が響き、最新ポップスや映画との相性が抜群。
・通勤・通学の移動中に、迫力あるサウンドをしっかり楽しみたい人の大本命。

装着感とデザイン

先ほど紹介したインナーイヤー型の「Tune 305C」と並び、JBLのUSB-C有線イヤホンの中核を担うモデルが、カナル型を採用した「Tune 310C」です。

本体はそこそこ小ぶりで、耳の奥まで無理にねじ込む感覚が少なく、カナル型が苦手な人でも耳が痛くなりにくい絶妙なサイズ感に収まっています。ハウジングには上品なメタリック塗装が施されており、3,000円台のエントリーモデルとは思えないほどしっかりとしたビルドクオリティを感じられるのも好印象です。

ケーブルは「Tune 305C」同様、平たいきしめんのようなフラットタイプ。バッグやポケットに無造作に放り込んでも絡まりにくく、スッとほどけるストレスフリーな取り回しは魅力ですが、歩行時に服と擦れるタッチノイズはやはり気になります。デスクワークや電車で座って聴いている分には問題ありませんが、歩きながら使いたい人はケーブルが不用意に動かないようにクリップで固定するなど、ある程度対策したほうがよさそうです。

音質と遮音性

音を鳴らしてまず実感するのは、カナル型ならではの遮音性の高さ。耳穴がしっかり密閉されるため、電車内や屋外でも周囲の騒音に音楽がかき消されず、iPhoneの音量を小さめに絞っても細かな音までしっかりと楽しめます。

9mm径のダイナミックドライバーが奏でるサウンドは、メリハリの効いたパワフルな仕上がり。この価格帯でも王道のJBLサウンドをしっかり実感できます。ベースラインやキックドラムの低音がぼやけずに芯を感じさせ、音楽全体を力強くドライブ。ボーカル帯域もすっきりと抜けて埋もれないため、YOASOBIやAdo、洋楽ポップスといった最新のヒットチャート曲との相性も抜群です。

また、リモコン操作で手軽に切り替えられる3種類のイコライザーも「Tune 305C」同様に搭載されています。カナル型になり、インナーイヤー型の「Tune 305C」よりも低音が漏れずにダイレクトに耳奥に届くため、低音が少し重たく感じるときは「Vocal」モードに切り替えることで低域が程よく抑えられて聴きやすくなります。曲のジャンルや気分に合わせて手元でサッとイコライザーを変えられるのは大きな強みと言えるでしょう。

マイク性能

マイク性能については、静かな部屋で試す限りは声がクリアに録れて実用十分な仕上がりです。ただし、指向性があまり高くないのか、周囲の環境音も自分の声と同じくらい拾ってしまうため、カフェや屋外など賑やかな場所での通話にはあまり向いておらず、自宅などの静かな環境で使うのがベストでしょう。

【総評】

「EarPods with USB-C」の遮音性や低音に不満を感じていた人にとっては、まさにその不満を綺麗に解消してくれる1本です。通勤・通学の電車内で、迫力ある重低音にどっぷり浸りながら音楽を楽しみたい人なら、選んでまず損のない高コスパ機と言えます。

【同価格帯トップクラスの解像度】FiiO「JD10 Type-C」

【基本スペック】
形状:カナル型
ドライバー:10mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.2m
カラーバリエーション:ブラック
付属品:シリコンタイプイヤーピース(S、M、L)

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★★★
音質(重低音・迫力): ★★★★☆
遮音性(没入感): ★★★☆☆
装着感(快適性): ★★★☆☆
マイク品質(通話性能): ★★★☆☆

マイク収録音声



レビュー

・2,000円台とは思えない、ボーカルの息づかいまで聴き取れる高解像度サウンド。
・耳掛け式(Shure掛け)のIEM形状で、歩行時のタッチノイズが少なく耳にしっかり固定できる。
・スマホ直挿しで有線ならではの緻密な高音質をじっくり味わいたいなら、迷わずこれ一択。

装着感とデザイン

コスパの高い本格オーディオ製品を数多く展開するFiiO(フィーオ)が手がける「JD10 Type-C」。実売2,000円台半ばというエントリー価格でありながら、パッケージを開けた瞬間に「えっ、これで2,000円台なの?」と思わず声が出てしまうほど、見た目の“ガチ感”が際立つ1本です。

最大の特徴は、この価格帯としてはかなり珍しいインイヤーモニター(IEM)ライクな筐体を採用していること。3.5mmプラグ版の兄弟モデルのようにリケーブル(ケーブルの着脱)には非対応ですが、内部の構造が美しく透けて見えるクリアシェルを採用しており、なかなか凝ったビルドクオリティに仕上がっています。フェイスプレートに指紋がつきやすい点は少々難点ですが、耳元でキラリと光る様はとても2,000円台で購入できるモデルとは思えません。

装着スタイルは、ケーブルを耳の上から後ろへ回し掛けるいわゆる「Shure掛け(耳掛け式)」。歩行時の服擦れによるタッチノイズを大幅に軽減できるメリットがありますが、IEMライクの立体的なシェルのため、耳の形をやや選びやすい面があります。また、片側約3.7gと本体が非常に軽いため、イヤーピースのサイズが耳に合っていないと不用意にイヤホンが浮いてズレてしまい、遮音性や音質にもかなり影響がありました。製品を購入したら、まずは付属のイヤーピースをひととおり試し、自分の耳にジャストフィットする最適なサイズを見つけるのが鉄則です。

音質と遮音性

音を鳴らしてみると、独立DSPチップを積んでいるだけあって、解像度の高さは同価格帯のなかでも群を抜いています。特にボーカルの明瞭さがすばらしく、息づかいやバックで鳴る細かな楽器の粒立ちまでしっかり聞き分けることができました。最新ポップスやアニソンといった歌ものは抜群の相性のよさを発揮してくれます。さらに、手元のリモコンの「+」と「ー」ボタンを同時に押すだけで、なんと6種類ものイコライザープリセットを切り替えられるのもマニア心をくすぐる仕様です。

ただ、音が非常に細かくクッキリ聴こえる反面、情報量が多いため長時間ずっと聴き続けていると人によってはやや聴き疲れを感じるかもしれません。また、DACのパワーが強すぎるのか、iPhone直挿し時の最小音量がかなりデカいのも明確な弱点です。夜寝るときなどに小音量でBGM的に流したいという使い方には正直向きません。

マイク性能

マイク性能は良くも悪くも普通の実用レベル。雑音だらけになることはありませんが、「EarPods with USB-C」のようなクリアな感じではなく、少々声がこもって聴こえます。いざというときは使える程度に思っておいたほうが無難です。

【総評】

さすがFiiOというだけあり、ビルドクオリティや音作りはこの価格帯の中でもかなり優秀でした。Shure掛け必須で片手でサッと耳に入れられない装着の手間や、耳の形状を選ぶシビアさこそあるものの、スマホ直挿しで有線イヤホンならではの緻密な高解像度サウンドを味わいたいなら最有力候補になるでしょう。

【抜群の定位感&高性能イヤーピースを標準付属】AZLA「TRINITY USB-C」

【基本スペック】
形状:カナル型
ドライバー:8mm径ダイナミック型
リモコン:1ボタン
ケーブル長:1.5m
カラーバリエーション:ブラック、ブルー、シャンパンゴールド、フローズンミント
付属品:シリコンタイプイヤーピース(S、MS、M、L)、キャリングポーチ

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★★☆
音質(重低音・迫力): ★★★☆☆
遮音性(没入感): ★★★★☆
装着感(快適性): ★★★★☆
マイク品質(通話性能): ★★☆☆☆

マイク収録音声



レビュー

・高性能イヤーピースが4サイズも標準同梱されており、コスパはかなり優秀。
・音がどこで鳴っているか正確に把握できる抜群の定位感で、ゲームや動画視聴に最適。
・堅牢なアルミ削り出しボディと吸い付くような密着感で、デスク周りでの使用にぴったり。

装着感とデザイン

高品位なイヤーピース製品でオーディオファンから支持を集めるAZLA(アズラ)が手掛けるUSB-C有線イヤホンが「TRINITY USB-C」です。実売2,000円を切る価格帯でありながら、安っぽい樹脂製ではなくアルミ削り出し筐体を採用している点には思わず目を見張ります。

そして、イヤーピースメーカーの本領が存分に発揮されているのがその付属品です。KCC SILICONE社製のプレミアムシリコンを採用し、本機専用に開発された「SednaEarfit T」がなんと4サイズ(S/MS/M/L ※Mは初期装着)も標準で同梱されています。単品で買えばそれだけで1,000〜2,000円近くしてもおかしくないイヤーピースが最初から揃っているだけでも、相当なお買い得感があります。

イヤホン本体は耳にスッと真っ直ぐ挿し込むストレート型なので装着もとても簡単で、モチッとした肌触りのシリコンが耳穴へ吸い付くようにフィットしてくれます。自分の耳に合ったサイズをしっかり選べば、カナル型らしい高い遮音性をしっかりと確保できます。

いっぽうで、ケーブル周りの使い勝手には少し好みが分かれそうです。固めの被膜を採用しているため歩行時のタッチノイズがやや気になるほか、ケーブル長が一般的な120cmではなく150cmと長めに設計されています。デスク上やゲーム機に繋ぐ際には取り回しやすい長さですが、スマホをポケットに入れて外を歩くシチュエーションでは、余ったケーブルがブラブラして少しじゃまに感じられる場面がありました。また、インラインリモコンが音量調整のできない1ボタン式なのも、スマホ用としては少し惜しいポイントです。

音質と遮音性

音を鳴らしてみると、もともとゲーミング用途を想定して開発されたモデルということもあり、音のキャラクターは非常に硬派。音場自体はやや狭めなものの、どこで何の音が鳴っているか正確にとらえる定位感が抜群にしっかりしています。

ボーカルはクリアで明瞭に抜けてきますが、リバーブの効いた空気感や豊かな余韻で聴かせるというよりは、輪郭をくっきり際立たせる感じです。派手さはないため、EDMなどで重低音を浴びたい人には少し素っ気なく感じるかもしれませんが、音を正確に聴き取りたい用途にはぴったりです。

マイク性能

スペック表には高感度マイク搭載と謳われているものの、実際のマイク品質は至って普通です。多少騒がしい環境下だと声がかすれてしまうケースもありました。「EarPods with USB-C」のような圧倒的なクリアさはないので、通話用に過度な期待はしないほうがよいでしょう。

【総評】

外を歩きながらスマホで使うにはケーブルの長さや1ボタンリモコンに割り切りが必要ですが、堅牢なアルミボディとイヤーピース4サイズがセットになって2,000円切りというのは間違いなく破格です。耳に吸い付くフィット感が欲しい人や、PCやゲーム機に直挿しして正確な定位でゲームを楽しみたい人なら、大いに選ぶ価値のある1本です。

【小耳に収まる極小設計】ソニー「IER-EX15C」

【基本スペック】
形状:カナル型
ドライバー:5mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.2m
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト、ブルー、ピンク
付属品:シリコンタイプイヤーピース(XS、M、XL)、ケーブルアジャスター

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★☆☆
音質(重低音・迫力): ★★★☆☆
遮音性(没入感): ★★★☆☆
装着感(快適性): ★★★★☆
マイク品質(通話性能): ★★★★☆

マイク収録音声



レビュー

・一般的なイヤホンよりもひと回り小さい極小設計で、小さな耳にもすっぽり快適に収まる。
・長時間の使用でも聴き疲れしない、フラットでバランスのよいソニーらしいサウンド。
・手元でサッと音声を消せる「マイクミュート機能」搭載で、急なWeb会議にも大活躍。

装着感とデザイン

ソニーが満を持して投入した、実売2,000円台のUSB-C有線イヤホンが「IER-EX15C」です。手にとってまず驚くのが、本体の圧倒的な小ささ。一般的なイヤホンよりもひと回り小さい5mm径ドライバーを採用しているため、耳の奥までスッと無理なく収まる絶妙なコンパクトさに仕上がっています。普通のカナル型だと耳が痛くなってしまうという耳の小さい人でも、これならすっぽり快適にフィットするはずです。

ただ、本体が小さすぎるゆえの弱点もあり、男性の太い指だとつまみにくく、耳からちょっと取り外しにくい一面も。ここは小型設計とのトレードオフと言えます。なお、遮音性はイヤホン自体が小さいため、イヤーピースの状況にかなり左右されます。耳穴が大きい人は大きめのイヤーピースを装着するなどして、すき間をしっかりなくすなどの工夫はしておきたいところです。

また、細かい部分ですが、ケーブルの長さを微調整できるアジャスターが標準で同梱されている点はうれしいところ。表面に細かな溝を入れて絡まりにくくしたセレーションケーブルはやや細くて頼りない感じがしますが、アジャスターでケーブル長をうまくコントロールしてあげれば、断線のリスクを減らせそうです。こういった毎日使うものだからこそのユーザーへの細やかな気配りにはソニーの真面目さがしっかり表れています。

音質と遮音性

コンパクトで耳の奥にまでしっかりと入って密着するため密閉度は高く、カナル型ならではの没入感は十分。音を鳴らしてみると、中高域の解像度が高めで、ボーカルの声やアコースティック楽器の輪郭がすっきりとクリアに耳へ届きます。

いっぽうで、低音は少しだけ輪郭がボヤけ気味で、ベースやドラムのパンチ・迫力はやや控えめです。JBLのような重低音のアタック感を期待すると物足りなさを感じるかもしれませんが、派手さやトゲがないぶん耳あたりがやさしく、最新ポップスから動画視聴まで幅広いコンテンツを長時間聴いていても疲れない絶妙なバランスにまとまっています。

マイク性能

マイク性能については、静かな場所ならクリアに通話できるものの、やや周囲の環境音を拾いやすい傾向があります。ただ、手元のリモコン操作でサッとマイクミュートができる機能が備わっており、急な呼びかけやオンライン会議でも重宝します。

【総評】

派手さこそないものの、作りの堅実さとソニー製という安心感は、それだけで選ぶ理由になります。耳穴が小さくて装着感に悩んできた人はもちろん、あれこれ迷いすぎて何を買えばいいか分からない人が手にとる最初の1本としても手堅い選択になるはずです。

【おしゃれな布巻きコード採用の万能機】オーディオテクニカ「ATH-CKD30C」

【基本スペック】
形状:カナル型
ドライバー:9.8mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.2m
カラーバリエーション:ブラウン、ブルー、ブラック、ホワイト
付属品:シリコンタイプイヤーピース(XS、S、M、L)

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★★★☆
音質(重低音・迫力): ★★★☆☆
遮音性(没入感): ★★★★☆
装着感(快適性): ★★★★☆
マイク品質(通話性能): ★★★★☆

マイク収録音声



レビュー

・摩擦に強い布巻きコードと絡みにくい溝入りケーブルを採用し、断線への安心感が抜群。
・人の声を際立たせる「Clear Voice」など、2種類のイコライザーで用途に合わせて活躍。
・カバンに雑に放り込んで、毎日ガシガシ使い倒したい人に最適な万能機。

装着感とデザイン

国内オーディオメーカーの老舗、オーディオテクニカが手がける格安USB-C有線イヤホンが「ATH-CKD30C」です。実物を手に取ると、同社らしいメタリックな質感をうまく落とし込んだ上品で落ち着きのあるデザインが目を引きます。3,000円前後のイヤホンにありがちなチープなプラスチック感がなく、大人が普段使いしやすいシックな佇まいに仕上がっているのは好印象です。

そして、本機の最大の魅力と言えるのがケーブルの作りのよさ。プラグ側から分岐点までは摩擦に強く質感の高い布巻きコードを採用し、耳元へ向かうケーブルには溝が入って絡みにくいウェーブコードを組み合わせたハイブリッド仕様になっています。カバンの中に無造作に放り込んでも絡まりにくく、触った瞬間に「これなら簡単には断線しなさそう」と思わせるタフな安心感があります。

音質と遮音性

音を鳴らしてみると、デフォルトの状態ではメリハリの効いたサウンド。低域と高域がバランスよく引き締まっており、イマドキのJ-POPや最新ヒット曲を気持ちよく鳴らしてくれるキャッチーな仕上がりです。

さらに面白いのが、手元のリモコンで切り替えられる2種類のイコライザー。重低音を底上げして映画や音楽を迫力たっぷりに楽しめる「Bass Boost」と、人の声の帯域を際立たせる「Clear Voice」が用意されています。特に「Clear Voice」は、YouTubeやポッドキャストなどの音声メインのコンテンツはもちろん、オンライン会議で相手の声を聴き取りやすくする用途にもかなり重宝します。

マイク性能

マイクを製造するオーディオテクニカならではのノウハウがしっかりと生かされているのでしょう。自分の声が「EarPods with USB-C」のような抜けのよいクリアな音声ではなく、多少こもったように聴こえるものの、周囲の雑音を抑えて声だけしっかりと拾ってくれる点はとても優秀。このくらいのマイク性能があれば、騒がしい環境下でも安心して通話などの音声コミュニケーションができるでしょう。

【総評】

マイクの質感が多少変わりはしますが、マイク性能も高く、音も全体的にバランスが整っており、日常使いには十分使える性能です。毎日ガシガシ使い倒したい人や、動画視聴・Web会議を1本でスマートにこなしたい人に向いている1本だと思います。

【1,000円切りで買える手軽な通話用サブ機】Xiaomi「Xiaomi Type-C イヤホン」

【基本スペック】
形状:カナル型
ドライバー:12.4mm径ダイナミック型
リモコン:3ボタン
ケーブル長:1.25m
カラーバリエーション:ブラック、ホワイト
付属品:シリコンタイプイヤーピース(S、M、L)

評価

音質(中高音・ボーカル): ★★☆☆☆
音質(重低音・迫力): ★★★★☆
遮音性(没入感): ★★★★☆
装着感(快適性): ★★★☆☆
マイク品質(通話性能): ★★★★☆

マイク収録音声



レビュー

・実売1,000円以下で買える、圧倒的な安さが魅力のType-C有線イヤホン。
・超大型ドライバーによる量感たっぷりの低音が響くが、中高音はややこもり気味。
・メインの音楽鑑賞用には厳しいが、カバンの底に入れておく「通話用サブ機」としては優秀。

装着感とデザイン

スマートフォンやスマート家電で圧倒的なコスパを誇るXiaomi(シャオミ)が、実売980円前後という圧倒的な価格で投入したのが「Xiaomi Type-C イヤホン」です。

千円札を出してもお釣りがくる圧倒的な安さだけあって、手に取ったときのビルドクオリティは良くも悪くも価格相応。カラーは定番のブラックとホワイトの2色で、本体は軽量かつコンパクトにまとまっています。ただ、ケーブルの線がかなり細く頼りないため、少々乱雑に扱うと、ふとした拍子に断線してしまいそうな不安感は拭えません。

イヤホン自体はオーソドックスなカナル型。シンプルな形状ですが、若干サイズが大きめで、筆者の場合は耳穴にふたをするような感じの装着感でした。街中や移動中でも最低限の遮音性はしっかり確保できていますが、耳の小さい人だと長時間装着していると耳が痛くなるかもしれません。実際に着け心地を試せればよいのですが、オンライン販売がメインの製品のため、試せる機会があまりないかもしれません。掲載している写真をぜひ参考にしてもらえればと思います。

音質と遮音性

音を鳴らしてみると、この価格帯としてはかなり珍しい12.4mmという超大型ドライバーを積んでいるだけあって、低音の量感は非常にパワフルです。ただ、低音が主張しすぎるあまり、ボーカルなどの中音域〜高音域が全体的にモヤッとこもって聴こえやすいのは明確な弱点です。

耳にやさしいマイルドな音と好意的にとらえることもできますが、全体的な解像度が低いため、繊細な楽器の音色やボーカルの息づかいを味わうような音楽鑑賞には正直向いていません。また、静かな部屋で音を止めているときに、サーッというわずかなホワイトノイズが乗るのも安価なモデルゆえの割り切りポイントと言えそうです。

マイク性能

マイクには通話時の環境音を抑えるENCノイズリダクションが搭載されています。めちゃくちゃ高音質というわけではありませんが、周囲の余計な音をある程度カットしながら声を拾ってくれるので、通話用としては十分実用的に機能してくれます。

【総評】

音楽をいい音で楽しむためのメインイヤホンとして選ぶのは厳しいですが、普通に通話ができるType-Cイヤホンが1,000円以下で手に入ると考えれば悪くはありません。いざというときに備えて持ち歩く安価なサブ機として割り切って買うなら十分アリでしょう。

【まとめ】シチュエーション別で選ぶベストバイ

9製品をじっくり使い比べてみて改めて実感したのは、「EarPods (USB-C)」は確かに優秀だけど、決して万能ではないということです。耳をふさがないラクな着け心地や、インナーイヤー型特有の抜けのよい音、自然なマイク品質は、3,000円前後という価格を考えれば今でもかなりの完成度を誇っています。しかし、電車に乗れば走行音にかき消されて低音は抜けてしまいますし、最新ポップスやアニソンのベースラインをズシンと味わいたい人には、どうしても物足りなさが残るのも事実です。

やはり、後悔しないためには自分がイヤホンを使うシチュエーションに合わせて選ぶのが一番の近道です。改めて、今回の検証から導き出した「用途目的別のおすすめ機種」を5つピックアップしました。

・静かな環境での、通話やWeb会議、自宅での流し聴きがメイン
→ アップル「EarPods with USB-C」

・電車移動など、騒音の多い場所でも迫力ある重低音に浸りたい
→ JBL「Tune 310C」

・有線ならではの解像度で、ボーカルや楽器の音をじっくり聴き込みたい
→ FiiO「JD10 Type-C」

・吸い付くようなフィット感で、ゲームや動画を正確な定位で楽しみたい
→ AZLA「TRINITY USB-C」

・断線を気にせずカバンに放り込める、タフで万能な1本が欲しい
→ オーディオテクニカ「ATH-CKD30C」

3,000円前後の予算でも、自分のライフスタイルにピタッとハマる1本に出会えれば、毎日の通勤や作業の快適さは劇的に変わります。今回の比較を参考に、ぜひ自分の使い方に一番フィットする1本を選んでみてください。

遠山俊介(編集部)
Writer / Editor
遠山俊介(編集部)
2008年カカクコムに入社、AV家電とガジェット系の記事を主に担当。ポータブルオーディオ沼にはまり、家にあるイヤホン・ヘッドホンコレクションは100オーバーに。最近はゲーム好きが高じて、ゲーミングヘッドセットにも手を出している。家電製品総合アドバイザー資格所有。
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