以前、シロカの電気圧力鍋「クックマイスター SPC-101」だけで1週間分の夕食を作る! という試みをしてみたところ、とても便利ですっかりお気に入りに。そんなシロカの電気圧力鍋に、新モデル「SP-D131」が登場しました。最高圧力がアップしたほか、「無水調理」や「温め直し」、1秒単位の圧力時間設定機能が追加されているそう。「SP-D131」と前モデル「SPC-101」(以下、前モデル)との違いをふまえつつ、再び1週間の夕食作りにチャレンジ。どれほど使いやすくなったのかチェックしました。
<前モデル>「シロカ 電気圧力鍋 クックマイスター」だけで1週間の夕飯を作ってみた
「SP-D131」は、圧力調理、無水調理、蒸し調理、炊飯、スロー調理(スロークッカー)、温め直しができる、1台6役の電気圧力鍋。一般的に圧力鍋やスロークッカーは容量が多く、サイズも大きいものが多いですが、「SP-D131」はコンパクトなサイズで、1〜2人にちょうどよい量の調理が可能です。加圧調理時の圧力はマイコン制御されるので、材料を入れてスイッチを押し、ほったらかしておくだけで料理が完成。炊飯モードでは、白米や玄米は1度に3合炊くことができます。
「SP-D131」は前モデルとサイズはほとんど変わらず、調理容量も1.3Lで同じ。しかし、前モデルでは60kPa(キロパスカル)だった使用最高圧力が70kPaに向上。より食材がやわらかく仕上がるようになったそう。また、前モデルではではできなかった「無水調理」や「温め直し」ができるようになったほか、無水カレー、カレー、肉じゃが、豚の角煮、さんま煮、ポトフ、白米、玄米といったプリセットメニューを追加。また、1〜59秒という短時間の加圧調理が可能となり、調理できるメニューの幅が広がりました。
本体のサイズは22(幅)×23.8(奥行)×24.9(高さ)cm、重さは約2.7kgです。上部の突起を除けば、高さは500mlのペットボトルとほぼ同じ。一般的な圧力鍋やスロークッカーと比べてかなりコンパクトです
内なべに材料を入れて調理します。蒸し調理に使う蒸し台と、炊飯用の計量カップも付属
操作パネルには、ボタンが6つ。大きく見やすいディスプレイには、選択中のメニューや調理の残り時間、保温時間などが表示されます
前モデルの操作パネルはボタンが小さく、メニュー名も表示されないため、やや見づらい印象でした
62種類のレシピを掲載したレシピブックが付属。今回は、このレシピブックのメニューを中心に作っていきます
ちなみに、レシピブックには加熱時間や加圧時間の記載がありますが、「SP-D131」の圧力調理では「加熱→加圧→保温→減圧」という工程で調理を行うため、加圧時間以外に、加熱(3〜20分)、保温(メニューごとに設定された時間)、減圧(5〜30分)の時間がそれぞれかかります。レシピに書かれている加圧時間に加え、前後に少し時間がかかることを覚えておきましょう。
それでは、夕食作りスタート。この1週間は、レシピに指定がある場合を除いて、夕食の支度に「クックマイスター」以外の調理器具(鍋、フライパンなど)を使いません。
まずは、新機能の「無水調理」でカレーを作ってみます。無水調理は食材が持つ水分だけで調理するため、食材そのもののおいしさを楽しめる濃厚な味に仕上がるそう。コンロで無水カレーを作る場合、少なくとも2〜3時間はじっくり煮込む必要がありますが、「SP-D131」なら、15分の加圧調理を含め、1時間ほどでできあがります。
みじん切りにした野菜と鶏肉、ローレルを入れた内なべを本体にセット。みじん切りにはフードプロセッサーを使用したので、下準備は10分ほどで終了しました。なお、カレーやシチューのルウなどの粘り気のあるものを入れて圧力調理をすると、ふたのノズルが詰まって故障の原因になるので、ルウは必ず後入れです!
フタをして、圧力表示ピンが下がっていることと、圧力切り替え弁が「密閉」になっているのを確認します
「メニュー/タイマー」ボタンで「無水カレー」を選び、「スタート」ボタンを押すだけ。プリセットされた「加熱→加圧(15分)→保温(15分)」という工程が自動で行われます
調理完了の合図(「ピー」という電子音×5回)が鳴っても、圧力表示ピンが上がっているうちはフタは開けられません。しばらく経って、圧力表示ピンが下がっているのを確認してからふたを開けます
具の加圧調理が終了した段階では、こんな感じ。まだおいしそうではありませんが、1時間足らずで野菜がクッタリとして水分もしっかり出ています。スタートから減圧完了まで45分ほどでした
ルウを入れ、ふたを開けたまま圧力調理ボタンを押して加熱。とろみがついたら完成です。ちなみに加熱中は中身がはねて飛び散るので、エプロンは必須
野菜の甘み出すぎ、鶏肉やわらかすぎな激ウマカレーです。1回で大体3食分強できるのですが、一気に食べつくせそう。水を入れて作ったカレーもおいしいですが、この濃厚な味はちょっと別モノです。「SP-D131」を入手したら、まず作ってみてほしいおすすめの1品
日曜の夜は時間的にも精神的にも余裕があるので、1週間にわたって食べられる副菜として、「簡単ピクルス」と「なすの煮浸し風」も作っておくことに。どちらも加圧時間10秒以内のメニューです。
・簡単ピクルス
切った野菜とピクルス液を内なべに入れ、「圧力調理」ボタンを押して加圧時間を1秒(1秒ってすごい)にセット。レシピの3倍の量を作ったので心配でしたが、レシピ通りの加圧時間で問題ないようです。スタートから減圧完了まで30分ほどでした
通常、ピクルスは2日くらい漬けてやっと中まで味がしみるのですが、「SP-D131」を使えばあっという間に甘酢がじゅわっとしみたピクルスが完成
さっそく無水カレーと一緒にいただきます。甘酸っぱいピクルスが、カレーによく合う!
・なすの煮びたし風
なすとしょうが、調味液を内なべに入れ、「圧力調理」ボタンを押して加圧時間を10秒にセット。こちらもレシピの3倍の量を作りました。内なべの「調理MAX」線ぎりぎりでしたが、問題なく完成。スタートから減圧完了まで30分ほどでした
なすが崩れそうなくらいトロットロ。冷やして食べてもおいしいので、温め直す手間もないところが作り置き向き
月曜日は「さんまのしょうが煮」を作ります。プリセットメニューの「さんま煮」を使用すれば、「加熱→加圧(20分)→保温(20分)」で調理されます。
さんまとしょうが、調味液を内なべに入れ、「メニュー/タイマー」ボタンで「さんま煮」を選び、「スタート」ボタンを押すだけ。スタートから減圧完了まで40分ほどでした
作り置きのなすの煮びたし風とみそ汁と添えれば、立派なら夕飯に
中骨はさすがに硬いままですが、小骨はやわらかくなっているのでまったく気にならずにパクパクいけます!
火曜日はいつも帰宅が遅いため、前の晩、寝る前に「スロー調理」モードでおでんを仕込んでおきました。「スロー調理」は、約85℃で沸騰させずに加熱することで、煮崩れせずに食材をやわらかく仕上げるモード。調理終了後、自動的に保温の状態になり、最大6時間保温します。
具とおでん出汁を内なべに入れ、「スロー調理」ボタンを押すだけ。寝ている間に完成します
翌朝。「スロー調理」で4時間+保温4時間くらいでこんなにしみしみになっていました
内なべは1人暮らし用の冷蔵庫にもそのまま入るサイズなので、内なべごと保存しておくことができます
帰宅後、冷蔵庫から出した内なべをそのままセットし、「温め」ボタンを押します。「あたため直し」機能のおかげで、ほかの鍋を汚さずに作り置きの料理を温められるのでありがたい!
おでんだけでは味気なかったので、温め直している間に作ったアボカドキムチを添えます
味が染みておいしい! なのに、どの具もまったく煮崩れしていません。レシピにならって大根は1.5cm幅にカットしたのですが、こんなに味がよくしみるなら、もっと厚く切っても大丈夫そう
水曜日は、前日のおでんの出汁でごはんを炊いて、炊き込みご飯を作ってみました。加圧時間は8分と短いですが、おいしく炊けるのでしょうか。
レシピの「白米」の炊き方で、水をおでんだしに変え、しめじとにんじんを入れて炊きます。米は研いだ後30分水を切る必要がありますが、今回は無洗米を使用したのでそのまま炊きました。スタートから減圧完了まで25分ほどでした
炊き込みご飯だけでは寂しいので、蒸し機能を使ってチルドの茶碗蒸しを蒸してみました。直径9cmの茶碗蒸しの場合、1度に入れられるのはひとつ。加圧時間45秒で蒸し上がります。スタートから減圧完了まで10分強でした
作り置きのなすの煮浸し風を添えて完成
炊き込みご飯をひと口。高級炊飯器や土鍋で炊いたような、ふっくらもちもちで米の甘みがー! という味ではありませんが、芯が残ることもなく、普通においしい。25分ほどでこのクオリティの炊き上がりなら文句はありません。急いでいる時は炊飯モードを重宝しそうです
茶碗蒸しも、短時間で中まで熱々になりました
「SP-D131」の扱いに慣れてきたので、自由な圧力調理設定ができるお好みモードで冷蔵庫にあるものを適当に煮てみました。圧力をかける時間は、1〜60秒までは1秒単位、1〜60分までは1分単位で変えられます。
「圧力調理」ボタンを押して、加圧時間を3分に設定してみました
かぶと炒めたひき肉を、酢やしょうゆを合わせた調味液とともに加圧3分。スタートから減圧完了まで30分弱でした
本日も作り置きのなすの煮浸し風が活躍。いろどりの悪さは刻みねぎと切っただけのトマトでカバーします
かぶは皮までとろとろ。「SP-D131」にかかれば、とりあえず何でも入れて煮るだけでおいしいおかずになるようです
調理のネタも尽きてきた金曜日、初日に感動を与えてくれた「無水調理」で、鮭ときのこの無水煮を作ってみました。
鮭ときのこ、たまねぎ、調味液を加圧時間3分で調理。野菜がクタクタになっています。スタートから減圧完了まで大体15分でした
久しぶりにピクルス登場。品数は少ないですが、鮭ときのこの無水煮の奥行きがある味わいのおかげで大満足!
鮭はしっかり火が通りつつ、パサつかずふっくら。野菜と魚から出た水分がいい感じのスープになっていて非常に美味です。無水調理最高! もちろん飲み干します
最終日は豚の角煮を作ります。豚の角煮はプリセットの圧力調理、スロー調理と2通りの方法で作れるので、2通りの作り方で仕上がりを比べてみたのですが、正直まったく差がわからなかったので、どちらで調理してもいいと思います。
・加圧調理
材料と調味液を内なべに入れ、「メニュー/タイマー」ボタンで「豚の角煮」を選び、「スタート」ボタンを押すだけ。加圧時間は15分で、スタートから減圧完了まで大体20分ほどでした
・スロー調理
4時間の「スロー調理」でできあがり
豚肉の仕上がりはどちらもこんな感じ。脂の部分はとろとろなのですが、肉はそれほどやわらかくなっておらず(肉が悪い?)、箸で割ることはできませんでした。味のしみ方ももう1歩だったので、圧力調理にしてもスロー調理にしても、加減を見ながら時間を延ばすといいかもしれません
甘辛い豚の角煮にピクルスがマッチ。なすの煮びたし風は、ちょっと味がかぶりました
「SP-D131」を使ってみた感想は、やっぱりすごく便利! 機能もサイズもとても使いやすく、忙しい日でも無理なく使用できました。前回使用した時よりも手慣れてきたせいか、1日で7日分のおかずを作ることもできるんじゃないか(さすがに無理か?)と思う勢いで使いこなせました。圧力調理はほったらかしでOK&時短になるのももちろんよいですが、信じられないくらいの短時間で肉も魚も野菜もトロトロになるのが、魔法のような、化学の実験をしているような気持ちになり、料理がいつもより楽しいのもいいところですね。料理の腕も上がった気になれます。
前モデルからの進化点については、「無水調理」や短時間の加圧調理が可能になったことで、調理の幅が広がったのはもちろん非常に便利なのですが、個人的に1番うれしかったのは、「あたため直し」ができるようになったこと。筆者の家は電子レンジがないこともあり、この機能にはかなり助けられました。忙しい人はとくに、料理を作るタイミングと食べるタイミングは必ずしも同じではないはず。「忙しい中でも簡単においしい料理が作れる」という製品の特徴にマッチした、ナイスバージョンアップだと思いました。
美容・健康家電を中心に新製品レポートやレビュー記事を担当。時には体を張って製品の実力をチェックします。